●2.米国株 : インフレ率が上昇に転じるリスクが増す、チャートはすでに崩れた
1)半導体株が下落を牽引、米国株の戻り直しは困難が増すと想定
・米主要株価指数の下落率 4/19
NYダウ +0.56%高
SP500 ▲0.88%安
ナスダック総合 ▲2.05%安
半導体株(SOX) ▲4.12%安
・NYダウは4/19にプラスに転じたが、一部銘柄が好決算を発表した影響を受けたことによる上昇で、米国株全体への波及効果は期待できない。
・今まではSOX指数が、米国株高を牽引してきた。ところが今や、SOXが下落を先行。これでは、米国株の当面の回復は望み薄だろう。
2)恐怖指数であるVIX指数は、投資家の不安心理を示す節目の20に接近している
・投資家の心理の委縮が続いていることを示唆している。
・VIX指数の推移 3/22 4/1 4/19
米SP・VIX 13.06 13.45 18.71
日経・VIX 18.50 19.65 24.43
・日経平均のVIX指数はすでに20を超えている。
3)米主要株価指数は史上最高値から下落に転じた
・米主要株価指数の下落率
NYダウ SP500 半導体株(SOX)
(3/28) 39,807ドル (3/28) 5,254 (3/17) 5,165
(4/19) 37,986 (4/19) 4,967 (4/19) 4,306
下落幅 ▲1,821 ▲287 ▲859
下落率 ▲4.57% ▲5.46% ▲16.63%
・半導体株指数(SOX)の下落が先行し、NYダウなどが引きずられて下落。
・米国株の上昇を牽引してきたSOXの下げ止まりが焦点になるとみる。
4)チャートは崩れ、上昇支持線をも下回り、当面は底が見えない状況が続くと示唆
5)米国のインフレ率は再上昇の兆しを示唆⇒高金利は継続⇒株価には負の影響と予想
・原油価格上昇の影響でエネルギー価格が上昇。雇用の底堅さで賃金上昇。
⇒ 消費意欲が増し、小売売上高が伸び、米経済は好調が継続。
⇒ 米個人消費支出(PCE)価格指数は再上昇(4/26公表予定)。
米消費者物価指数(CPI)も上昇に転じた。
⇒ 米インフレの再加速の現実味が増す。
・したがって、FRBは高金利水準の長期化を継続するとみる。インフレ率の上昇に弾みが付く場合は、金利引上げさえ議論される展開を予想。
・米株価、特に長期金利の上昇で割高感を意識されるハイテク株には逆風が続く。FRBの金利引下げ期待で株価が上昇してきただけに、インフレの上げ止まりが確認できるまでは困難な時期が続くと予想する。
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●3.根強いインフレ、金融安定への主要なりスク=FRB半期調査(ロイター)
1)根強いインフレと高金利の長期化が金融安定化に対する主要なリスクとして挙げられた。