●2.米国株:インフレ再加速・金利上昇基調に入ったと予想

 1)米経済の底堅さを示され、金利先安観が後退し、むしろ金利が上昇傾向にある
  ・パウエルFRB議長発言「利下げには慎重に」で、利下げ期待が後退。

  ・米3月ISM製造業景況指数は予想外に回復し、米経済の底強さを示す。

  ・製造業統計を受けて、利下げの時期見通しが後退した。

  ・ただ、株式市場では依然として「年3回の利下げ」期待感が根強く残っている。そのため、金利は「上昇⇒一服⇒上昇」と上昇傾向をたどるとみる。

 2)インフレの根強さを示す
  ・原材料価格が目立って上昇したことで、支払価格指数は55.8と、2月の52.5から予想以上に上昇し、2022年7月以来で最大となった。このことから、インフレ圧力の根強さを示した。

  ・WTI原油先物価格は上昇の一途。2023年12/12の68.68ドルを底にして、今年4/3は85.63ドルまで上昇した。上げ幅は+16.95ドル(+24.7%高)。しかも、メキシコ産原油の一部輸出停止やOPECプラス諸国の減産もあり、原油価格は上値を追うと想定できる。

  ・米雇用条件も逼迫が増し、賃金も上昇するとみる。

  ・以上の観点から、米インフレは再加速すると予想する。したがって、FRBはインフレ対策へと舵を切らざるを得なくなるだろう。

 3)NYダウは、利下げが遠のくとの見方から、株価高値意識が増し、売り圧力が増す

 4)インフレ対策から「金」に資金が流入し、金の先物価格が最高値を更新

 5)米株価は正念場を迎える
  ・米国株を押し上げるエンジンだった、主力銘柄から脱落が目立つ。
   テスラ
   アップル
 
  ・最近のエンジン役を果たした半導体のエヌビディアも株価上昇に一服感強まる。

  ・フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の動きも伸び悩みを示す。生成人工知能(AI)株関連は、「夢追い」であった部分があり、現実を見つめ直す時期に遭遇すると思われる。

  ・それだけに、新たなエンジンの出現が求められる。

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●3.FRBは利下げの検討に時間かけられる、米経済は力強い=パウエル議長(ロイター)