■現状の技術で見つかる太陽系外衛星はかなり異質

Heller氏とHippke氏はさらに、どのような太陽系外衛星ならば発見可能なのかについてもシミュレーションを行いました。その結果、直径が地球の0.7倍以上、または巨大ガス惑星のヒル球 (衛星が半永久的に惑星の周りを公転できる範囲) の半径の30%より外側にあるならば、太陽系外衛星を発見できる可能性があることを示しました。太陽系最大の衛星である木星の衛星ガニメデの直径は地球の0.41倍であり、巨大ガス惑星の大きな衛星はヒル球の半径の3.5%より内側にあることを考えると、この条件はかなり異質です。

Heller氏とHippke氏は、もし過去のデータの分析や将来の太陽系外惑星の探査ミッションによって、本当に太陽系外衛星を発見できた場合、その性質は太陽系の衛星とはかけ離れた性質を持っている可能性が高いと推定しています。

 

Source

René Heller & Michael Hippke. “Large exomoons unlikely around Kepler-1625 b and Kepler-1708 b”. (Nature Astronomy)
Birgit Krummheuer & René Heller. “Giant doubts about giant exomoons”. (Max-Planck-Gesellschaft)

文/彩恵りり