逆質問の具体例

前述のポイントを踏まえて、面接のフェーズごとに具体的な質問の例を考えてみます。

一次面接

想定される面接官:人事や若手社員

・御社で活躍されている方には共通して〇〇という特徴があると考えています。実際、△△さんから見て御社で活躍するために必要なことは何だと思われますか?

・将来的には、海外にも活躍の場を広げ、専門性を高めたいと考えています。実際、海外で働いている方は、入社してからどのようなキャリアを経ているのでしょうか。

一次面接では、ビジネスパーソンとして基本的な能力に問題がないかが主に見られます。

面接官は人事の方が担当することが多いです。

人事は会社全体を見渡しているため、社員の特徴や会社の制度、歩めるキャリアプランの確認などを伺うと良いでしょう。

また、人事ではない若手社員の方が担当することもあります。

その際は、その方の今後のキャリアプランや目標を伺うのも良いでしょう。

二次面接

想定される面接官:中堅社員

・私は〇〇という事業に興味があり、その戦力となるために■■のスキルを得る必要があると考えていますが、△△さんはいかがお考えでしょうか。

・こちらの部署で働くうえでのやりがいは〇〇だと考えています。△△さんがこの仕事に対してやりがいを感じる瞬間はどのような場面でしょうか。

二次面接では、ある程度キャリアを積んだその道のプロフェッショナルが面接官を担当することが多いです。

一次面接よりも厳しく選考されることが一般的で、応募者がどれだけ戦力としてポテンシャル、熱意があるのかが見られます。

ここでは会社全体に通用する社風などではなく、自分が入社後にやりたい業務内容に関する解像度の高い質問が効果的です。

最終面接

想定される面接官:経営層や役員、配属部署の責任者

最終面接では、数々の修羅場を乗り越えた経験豊富な経営層や責任者の方が担当すると思われます。

業務に関する細かい質問ではなく、面接官である経営層に視座を合わせた質問を投げるとスムーズなコミュニケーションが取れます。

また、面接官のキャリアを伺い、その変遷のなかで興味のある箇所を深堀りする形式も良いでしょう。

自分のキャリアに興味を持ってくれた人には好感を持つため、その場でしか聞き得ない貴重な体験談を耳にできるかもしれません。

いずれにしても、最終面接の面接官は、

どこかから拾ってきた質問をそのままぶつけて通用する相手ではありません。

様々な情報源から得た情報をもとに自分で思考し、そのうえで独自の質問をするよう心がけることが重要です。

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効果的な逆質問に向けた対策

自分が入社して何をしたいのかを考える

逆質問に関わらず、面接全般において最も重要な点です。

面接対策のための情報収集や思考の原点は、結局のところ「自分がやりたいこと」に帰着します。

「〇〇をしたい」と思い、そのためになぜこの会社に入社する必要があるのかを考え調査するなかで、自ずと先輩社員に聞きたいことも見えてきます。

企業研究

デート相手が自分の好みや以前話したことを覚えてくれていると嬉しいですし、それを踏まえてさらに知ろうと質問されると好意が増しますね!

自分について興味をもって色々と調べてくれると誰だって嬉しくなるものです。

面接においても同様のことが言えます。

自分をアピールするのも大事ですが、それと同じくらい相手のことを調べることも重要です。

企業HP

必ず目を通しておく必要があります。

簡単な沿革や社長の名前などは、応募者は認識しているという前提で面接が進められることもあるため、忙しい応募者の方でも最低限抑えておかなければいけません。

逆質問というより面接対策として面接の直前に確認し、ここで確認できることは質問しないようにしましょう。

IR情報

中期経営計画を始めとしたIR情報は、学生向けではなく投資家向けに発信されています。

そのため、採用ページには掲載されていないことが多く見逃されがちです。

しかし、だからこそ目を通しておくことでより深い企業研究が可能となります。

例えば、中期経営計画には向こう数年間で達成したい目標や道筋が記載されています。

引用元:三菱商事株式会社中期経営戦略2024

引用元:三菱商事株式会社中期経営戦略2024

上の例では、三菱商事が既存の収益基盤を維持しながらEX事業やDX事業により注力していく方向性が見えます。

会社として特に力を入れている事業分野についての詳細が書かれているため、会社とうまくマッチングした志望動機の作成に活かせることができます。

どんなに優れた志望動機や逆質問内容でも、会社の進みたい方向性を理解できていない、あるいはそこからズレているなという印象を面接官が覚えると合格は遠ざかってしまうでしょう。

OB訪問や説明会で一次情報を手に入れる

正確性と希少性の2点を考慮すると、社員から直接見聞きした情報に敵うものはありません。

企業HPはほとんどの応募者がチェックしており、IR情報も多くの応募者が見逃しているとはいえ、同じように深く読み込んでいる方もなかにはいるかもしれません。

しかし、OB訪問などで社員から直接聞いた話はあなたしか見聞きしていない貴重な情報です。

具体的で解像度の高い志望動機を伝えるうえで欠かせません。

また、逆質問の際には「OB訪問で〇〇さんに伺ったのですが、…」と前置きをすると、情報の信頼性だけでなく、その行動力が評価の対象になり得ます。