渡りに船となった「正社員の誘い」
そこでふと思ったんです。もうやることがないなら、あえて正社員になってみても面白いのでは?
私はあまのじゃくなところがあり、逆張りが好きなタイプです。新卒フリーランスとしてある程度食べていけているのに、正社員へ転身してみるのは、単純に面白いなと思いました。
一方、打算的なところでは、以下のような思いもありました。
- 正社員にならないとできない「業務の壁」が見えてきた
- 今後のキャリアを考えて、一度は正社員を経験しておくべきだと思った
- インボイス制度の施行が迫っており、フリーランスは苦しくなると感じた
- 業務委託として編集部に週3日は勤務しており、週5日も耐えられるかなと思った
上記を踏まえ、Workship MAGAZINEの当時の編集長に「正社員に興味がある」と伝えたところ、すぐに入社の手はずを整えてくれました。
もともと顔なじみの皆さんが多い会社だったので、私も正社員転換を決意。ただ、週5日×8時間の稼働や出社など、不安要素がなかったわけではありません。
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会社員転身で学んだ4つのこと
そんな私が、会社員になってみて学んだことをまとめてみました。
1. 会社員にしかできない業務や体験は多い
先にお断りしておくと、私が入社した株式会社GIGはフリーランスと正社員を公平に扱ってくれます。ただ、それでもフリーランスでは体験できない業務や経験は多かったです。
たとえば「稟議を上げる」という経験。会社員からすると「そんなの当たり前じゃん」と思われそうですが、フリーランスが稟議を上げる機会は基本ないはずです。
稟議を上げ、それが承認されるという流れは、フリーランスの私にとって新鮮なものでした。
フリーランスに裁量のある会社なので細かい例になってしまいますが、普通の会社であればフリーランスにはできない経験がもっとたくさん積めるはずです。
2. 給料と福利厚生が最強すぎる
フリーランスの頃から分かってはいましたが、会社員の給料と福利厚生はヤバすぎます。
まずは給料。残業はともかく、仕事量にかかわらず同じお給料がもらえるのは、フリーランスからすると「憧れ」でした。
また、昇給という制度も嬉しい。フリーランスは自分から単価交渉を行い、それでも上がらないことが多いのですが、会社員の場合はなんと会社から昇給を働きかけてくれます。そして、税金や保険料の計算も会社に丸投げできます。
福利厚生についてはベンチャーなので、どうしても大企業と同じ福利厚生とはいかないところがあります。しかし、それまでの私には福利厚生なんて一切なかったので、それでも十分すぎるものでした。
こうしたありがたみは、フリーランス経験が長ければ長いほど実感するのではないでしょうか。
3. 個人での仕事は副業で続ければいい
会社にもよりますが、就職先が副業OKであればフリーランス時代の活動をすべてやめる必要はありません。
副業をしたいなら、「普通の会社員」としてキャリアをスタートさせるよりも、圧倒的に簡単です。フリーランス時代の人脈やノウハウをそのまま生かせばいい。
実際、私は会社員になってから、個人でファイナンシャル・プランナー事務所を開業してお金関係の記事監修やアドバイスを行っていました。
もちろん制約は増えますが、会社と個人の仕事を両立することはそこまで難しくないでしょう。
4. 会社員特有の拘束感は「会社による」
ここまで記事を読み「で、結局会社員を嫌がっていた理由は解消されたの?」と思われる方もいるかもしれません。
結論としては「ベストとは思わないものの、慣れてはきた」というのが答えです。
まずは週5日8時間勤務について。もちろん「働かなくて済むなら働かない」のが理想には変わりませんが、やっていれば意外と慣れてきます。
出社については、毎日ではないもののリモートワークが可能なため、自分の中で折り合いをつけることは簡単でした。
唯一フレックス制度がないのが個人的には痛いですが、このあたりは本当に会社によるところだと思います。会社員なのにフリーランスっぽく働ける会社も全然あるので、そこは自分に合った会社を見つければ解決するはずです。