【前編】MAXISシリーズを展開する三菱UFJアセットマネジメントが考える「アクティブETF」の可能性

「新しいNISA」でも活用されているアクティブETF

――「MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信」の反響はいかがですか?

「9月に上場した際は、テレビや新聞で取り上げてもらい、かつてのETFとは比べものにならないくらいの資金流入がありました。これまでは新商品の上場から3カ月で10億円、半年で20億~30億円行けばいいところだったのですが、『MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信』はいきなり50億円に達したので、想像以上の盛り上がりで驚きました。

当社のコールセンターには『ETFはどうやって買えばいいですか?』といった問い合わせが多く寄せられ、まだETFに触れたことがない方々にも興味を持っていただけたことを実感しています」

――「MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信」を購入されている投資家の傾向は見えてきていますか?

「個人投資家の方々は、株式投資を経験したことがある人が多いように思います。ETFは投資信託ではあるのですが、買い方は株式と同じなので、市場での売買を経験したことがある方のほうが取り入れやすいのかもしれません。

新しいNISAの成長投資枠で買ってくれている方もいます。NISAであれば、ETFから支払われる分配金も非課税になります。主に50~60代のリタイアを目前に控えた世代の方が、成長投資枠で『MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信』を持ち、非課税で分配金を受け取りながら運用しているという印象です」

――新しいNISAでの活用は、視野に入れていたのですか?

「はい。ETFは配当などの収益のすべてを分配金で出す仕組みの商品なので、もともとNISAとの相性はいいと考えていました。アクティブETFも成長投資枠にはぴったりだろうと思いながら、開発しましたね」

――新しいNISAも、ETF市場の追い風となっているといえそうですね。

「そうだと思います。あと、『MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信』は機関投資家からも反響をいただいています。基本的に機関投資家は、過去1~3年くらいの実績があるものでなければ投資しないので、これは珍しいことなんです。

『MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信』に関しては『ファンドマネージャーの判断で銘柄を除外する運用プロセスが明確でわかりやすい』と評価していただき、実績がないにもかかわらず購入してくれる機関投資家が出てきたのです。もともと個人投資家をメインターゲットに開発したETFだったので、うれしいサプライズでした」

機関投資家の評価は、個人投資家にとってもアクティブETFを選ぶ際の大きな判断材料となるだろう。後編では、三菱UFJアセットマネジメントが考える日本のETF市場の現状、そしてETFの活用法について伺う。

(取材・文/有竹亮介(verb) 撮影/森カズシゲ)