【後編】MAXISシリーズを展開する三菱UFJアセットマネジメントが考える「アクティブETF」の可能性

公募投資信託に慣れたらETFにもチャレンジしてほしい

――投資初心者で公募投資信託での積立投資をしている方に向けて、ETFの魅力やメリットを伝えるとしたら、どのような点が挙げられますか?

「公募投資信託は注文時点では価格がわからないですが、ETFは価格が見えている状態で売買できます。ここがもっとも大きな違いであり、ETFの魅力といえる点でしょう。投資信託とは注文の方法が異なるので、最初は戸惑うと思いますが、一度経験すると指値での売買のよさに気付くと思います。

もう1つメリットといえるのが、売却代金が入ってくるタイミングです。海外株式を組み入れているような公募投資信託の場合、売却の注文を出してからお金が入るまで、5営業日ほどかかる場合もありますが、ETFは2営業日ほどで入ってくるので、資金繰りがしやすいというメリットがあります」

――買いたい、売りたいと思ったタイミングで取引できるところが、ETFの魅力ですね。

「そうだと思います。私たちの公募投資信託『eMAXIS』も、投資初心者の方が積立投資の軸として使ってくださっているという話をたくさん聞きます。『eMAXIS』を通じてつながりができたので、投資に慣れてきたら、ワンステップ先の投資として『MAXIS』の売買にもチャレンジしてほしいですね。新しいNISAの成長投資枠で購入していただくことで、分配金などの利益が非課税になるため、いまこそ始めどきなのではないかとも感じています」

――新しいNISAをきっかけに新たな投資に挑戦しようと考えている人も多いと思うので、いいタイミングですよね。最後になりますが、ETFに関して今後やっていきたいことはありますか?

「先ほども話したように、日本の投資家のなかには、ネット証券を通じてアメリカなどで上場されているETFを購入している方もいらっしゃいます。そのニーズを拾えるようなアクティブETFを開発したいですね。皆さんに活用していただけるような商品をつくって、日本のETFを盛り上げていきたいと考えています。

アメリカの運用会社・ARK社が出しているテック系のアクティブETFのように、ファンドマネージャーが頻繁に売買するような先進的なETFを提供できたら面白いですよね。既に多様なアクティブETFが出ている海外の市場を参考にしながら、投資家の方々のニーズにマッチするユニークな商品をつくり出していきたいと思っています」

日本株に海外株、米国債、REITと、幅広いETFを展開している「MAXIS」シリーズ。アクティブETFでも、多様なラインナップを揃えてくれることだろう。期待しながら、今後の展開を待つとしよう。

(取材・文/有竹亮介(verb) 撮影/森カズシゲ)