株式会社ライフェックス 飯嶌孝之さん
「仕事もプライベートも充実させる環境づくりをしています」

飯嶌孝之さん

2022年1月にライフェックスに参画し、人事の責任者として中途採用の推進、評価制度やフレックスタイムの導入など、人事制度の構築に取り組む。また、労務にも幅広く関与し、組織の人事全般を経験する。人事歴は10年。座右の銘は、「今が変われば未来が変わる」。

――従業員の定着率向上のため、どんな取り組みを行っていますか?

飯嶌さん

「仕事もプライベートも100%充実させる」を目指し、『ワッフル(Work fullness)制度』を導入しています。この制度を通して、メンバーがより多様な働き方を自律的に選択し、仕事とプライベートどちらも充実させ、生き生きと働ける環境づくりをしています。
 
働き方に関しては、月間総労働時間の範囲内で1日の働き方を自由に決められるスーパーフレックスや、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを導入し柔軟性のある働き方を実現しています。昨今では、メンバー自身や家族の誕生日に使える特別休暇「LOVE休暇」を付与し、プライベートを大切にしていける施策も導入しました。

――働きやすい環境づくりに注力されているんですね。

飯嶌さん

そうですね。あとはキャリアアップ支援にも注力していて、ピアボーナス制度や書籍購入支援制度などがあります。ピアボーナス制度では、社内ポイントを通じてメンバー同士がお互いに感謝を述べたり、成果に対して賞賛したりすることで、社員同士の繋がりを強化。書籍購入支援制度では、社員が自己啓発の一環としてビジネス書籍を選ぶ際に、全額を会社が負担することで学びの機会を広げています。

――従業員の方からの反響はいかがですか?

飯嶌さん

弊社は、有子率が7割と非常に高く、男女を問わず家庭や育児に積極的に取り組むメンバーが多いのが特徴です。そのため、「子供の病院付き添いや家族の体調不良などの際に柔軟な働き方ができて良かった」という声をよく聞きます。

また、採用時においても、自身のキャリアを追求しながら子育てを進める環境が整っているという点が、入社時の意思決定を後押ししています。

――実際、どのくらい定着率は改善しましたか?

飯嶌さん

制度導入後、メンバーからフィードバック調査を実施しました。その結果、100%のメンバーが制度に賛同してくれました。

具体的な定着率の改善についてはまだデータを取得していませんが、メンバーの家族からは「柔軟な働き方ができることが助かっている」という声も寄せられていて、生活スタイルや家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を選択できることは、定着率に対してポジティブな効果を持っているのではないかと考えています。

――客観的にみて、成功した要因は何だと思いますか?

飯嶌さん

制度を作って終わりにするのではなく、その制度をしっかりと活用し、自分自身や家族に対してプラスの側面を残すことが重要だと考えています。そのため、活用シーンを具体的に定め、より現実に即した運用ルールに変更したことが大きかったです。

――運用ルールの変更は、具体的にどんなことをされたのですか?

飯嶌さん

例えば、スーパーフレックス制度を導入する際には、試験期間を3カ月設け、意識的に活用を促しフィードバックを受けて運用ルールを調整しました。その結果、業務の中抜けを反映できる勤怠管理システムに変更したり、許可制だと突発的な体調不良に対応できないという意見を受けて自主的にカレンダーでスケジュールを共有できるルールに変更したりと、柔軟な運用に向けた改善を行いました。

――なるほど。では、他社の従業員の定着率向上のための取り組みで、気になるものはありますか?

飯嶌さん

「働きがいのある会社」ランキングで、6年連続の1位を獲得している株式会社コンカー社のフィードバックをし合う文化には興味があり、書籍も読ませてもらいました。上司部下関係なく社長に対しても伝え合うことで、成長を促す仕組みとして醸成されています。

――注目されているポイントは?

飯嶌さん

ポジティブな意見もネガティブな意見すること、聞き入れることが当たり前のカルチャーを作っています。コミュニケーションを適宜取り、成長につながっていく文化は魅力的です。
また、ネガティブなフィードバックでも相手の課題に対して常にオープンな関係でいられるため、不平不満やストレスを溜め込むことがないという点がとても気になりました。

株式会社ライフェックス

EC・D2Cブランドを対象に、ブランディングから新規獲得(広告運用・PR)。リピート顧客育成(CRM)まで一気通貫で支援を行うマーケティングプロデュースカンパニー。各領域コンサル事業の他、LINEのCRMツール『LIneON(ラインオン)』やCRM担当者を養成する『みんなのCRMアカデミー』のサービスなどを軸に、長く愛されるブランドにするため(LTVの最大化)の支援を強みにしている。「衣・食・住・遊を通し、毎日がハッピーでワクワクするカルチャー及びライフスタイルを創る」というパーパスを掲げ、マーケティング支援だけでなく、対峙する企業や人のカルチャーやライフスタイルにまで携われる存在を目指す。2009年に創業してから300社以上の支援を行っている。

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変な商社株式会社 田中毅さん
「会社のハブとなって、不安、疑念、不信を地道に解消します」

田中毅さん

大学中退後に、大手メーカーのグループ会社にてIT営業として社会人デビュー。その後、社内組織のあり方に疑問を持ち人事へ異動願を出すも叶わず、人事の近道になるであろう転職エージェントにキャリアチェンジ。様々な企業の採用を支援しつつ、したたかに人事になる道を模索して6年目、組織コンサル企業で人事責任者を拝命。その後紆余曲折あり、現職。座右の銘は、「押してはいけないボタンは、一回押してみてから考える」。

――従業員の定着率向上のため、どんな取り組みを行っていますか?

田中さん

従業員もヒトであり、仕事もプライベートも人並みに悩みや葛藤を抱えながら日々過ごしているため、話せる範囲でコミュニケーションを取り、鍵となるワードを感じ取りつつ、不安、疑念、不信を地道に解消し取り払っていくことがシンプルかつ、効果的な施策になると思っています。

なので、人事は社内をウロウロしながら、従業員一人ひとりの変化を感じ取る事ができるように気を配っています。

――人事としてどのように社員とコミュニケーションを取っていますか?

田中さん

まだ6月に着任したばかりなのですが、6月の2週目から徐々に浸食をしていきました。私の強みは、鬼のようなポジティブさ。ケタケタと笑いながらコミュニケーションを取り、私自身がどんなヤツかをまず知ってもらいました。今ではみなさん陽気に迎え入れてくれて、徐々に業務の相談など話してくれるようになりました。

――実際の手応えはいかがですか?

田中さん

着任したばかりなので成果自体は出ていないですが、よほどの出来事がない限り今のメンバーは3カ月、いや6カ月、いや1年は在籍してもらって、この「変な商社」という一風変わった会社を盛り上げてくれると信じてやみません。

――田中さんは、変な商社の新風になりそうですね。

田中さん

これまで社長と従業員の間で僅かばかりのズレがあるように思えた部分を新参者の私がハブとなり、意味を曲げることなく通訳して伝えることで、従業員は社長の、社長は従業員の思いを少しずつでも感じ取ってくれていると思っています。
大げさに聞こえる、もしくは大層なことをやっていると文字だけ見ると思うかもですが、大したことはしておらず、ただ報連相の仲介をしているだけなんですけどもね。これが意外と絡まりそうな紐が絡まずにいれるような気がしていて、人事という社内で一番フラットな立場を利用してやっています。

――他社の従業員の定着率向上のための取り組みで、気になるものはありますか?

田中さん

某セリーグ球団オーナー企業で今もあるかわかりませんが、シェイクハンド異動は面白い取り組みだなと思いました。これはマンネリ化した社員や挑戦したい社員が異動したい先の部署の責任者にプレゼンして握手できたら異動ができるという仕組みですが、数年前の自分が転職活動していた時にエージェントの方から聞いて、面白いことする会社だなぁって印象に残っていました。そういった面白い取り組みにも挑戦できたらいいなと思っています。

変な商社株式会社

旅行会社H.I.S.発のツーリズム系専門商社として2017年に創業し、現在7期目を迎えたベンチャー企業。ツーリズム商事事業として国内約400施設のホテル・旅館・テーマパークに向けたアメニティから電化製品、家具、雑貨、オリジナル商品などの物販を主軸に、テーマパーク事業から派生してイベント企画・運営や自社ECサイト、社内カフェ&バーの運営など幅広く展開する。「変わった社名」と言われる「変な商社」の「変」は変化の変に由来。旅行業界、宿泊業界のみならず、ツーリズム業界全体の総合商社として変化・進化を起こしていく。