自動車を所有していると、毎年4月下旬から5月上旬にかけて自動車税の納付書が届きます。数年前から自動車税をキャッシュレス決済で納付するとポイントがもらえるようになりましたが、23年は主要サービスでポイント還元が廃止されています。また、「地方税お支払いサイト」で地方税統一QRコード(eL-QR・エル キューアール)制度が始まるなど、2022年までとは状況が一変しているのです。果たして23年の自動車税は、どうやって支払うのがいちばんお得なのでしょうか? 

23年4月から「地方税お支払いサイト」(eL-QR)が稼働!

毎年、4月1日時点で自動車を所有していると、4月下旬から5月上旬にかけて自動車税の納付書が届きます。

自動車税は2万9,500円〜11万1,000円もするので、数年前からキャッシュレス決済で支払い、ポイントをもらうのが当たり前になっていました。

もちろん、キャッシュレス決済なら現金を用意してコンビニで支払う必要はなく、自宅にいながら納付できるのも大きなメリットですよね。

ところが、2023年からは2022年までの常識がまったく通じなくなっていることをご存じでしょうか?

まず、23年4月から地方税共同機構が運営する地方税共通納税システム「地方税お支払いサイト」がスタートしました。

この地方税お支払いサイトでは「地方税統一QRコード(eL-QR・エル キューアール)」が利用できるため、これまで自治体ごとにバラバラだった自動車税や固定資産税などを支払えるキャッシュレス決済が一本化されています。

●地方税お支払いサイト(公式)は→こちら



(Image:payment.eltax.lta.go.jp)

こちらが、23年4月から稼働した地方税共通納税システム「地方税お支払いサイト」今後、「eL」マークのある固定資産税や自動車税などの納付書は、eL-QRをスマホで読み込むことで簡単に支払えます(画像は地方税お支払いサイト公式サイトより転載)

地方税お支払いサイトは、クレジットカード(以下クレカ)、ネットバンキング、口座振替、Pay-easy(ペイジー)に加え、PayPay、au PAY、FamiPay、楽天ペイ、d払いといった主要なスマホのコード決済サービスに対応しています。

eL-QRで支払える税金の納付書には「eL」マークが付いていますので、まずは手元の自動車税の納付書を確認してみてください。



こちらが自動車税納付書に記載されている「eL」マーク。今後、このマークのある納付書は「eL-QR」で手軽に支払えるようになります(筆者撮影)

●地方税お支払いサイト「スマートフォン決済アプリ一覧」は→こちら

なお、eL-QRでクレカ払いを利用すると、「F-REGI公金支払い」のシステム利用料がかかります。手数料は、納付額が1万円以内の場合は40円(税込)、以降1万円ごとに83円(税込)となります。

■地方税お支払いサイトのクレカ払い手数料

1万円以下  40円

2万円以下 123円

3万円以下 205円

4万円以下 288円

5万円以下 370円

たとえば、自動車税の税額が3万9,500円なら288円の手数料がかかりますので、0.5%還元のクレカでは197ptしかもらえず損してしまいますが、1%還元のクレカなら395ptもらえますので、手数料を取られても107円ほど得する計算になります。

これに対し、スマホ決済アプリを利用した場合は手数料がかからないうえに、決済によるポイント還元もあります。

しかし、こちらも2022年までとは状況が一変しており、主要なスマホ決済アプリは23年4月末までに請求書払いによるポイント還元を打ち切っているのです。

このあと、各スマホ決済アプリの状況を確認していきますので、どのサービスを利用すると自動車税の支払いでポイントが多くもらえるのか、しっかり確認してみてください。



こちらは2022年の自動車税を、筆者がau PAYで実際に支払った画面です。3万9,500円の支払いで0.5%分の197ptが付与されましたが、今年はこれがもらえません……(筆者撮影)

最後に自動車税の納付で注意しておきたいのが、キャッシュレス決済の場合は、納税証明書(領収書)が発行されないことです。

現在は、キャッシュレス決済したあと2〜4週間後にはオンラインで納税状況が確認できるため、車検時に納税証明書は不要になっています。

しかし、1カ月以内に車検がある人は間に合わない可能性があるので、キャッシュレス決済の利用には十分注意してください。

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【自動車税】「PayPay」はeL-QR対応で自動車税の支払いも可能だが、ポイント還元はなし!

「PayPay」はeL-QRに対応しており、請求書払いで自動車税を支払うことが可能です。支払い方法も「残高払い」と「PayPayあと払い」が利用できます。

注意したいのは、23年4月以降に自動車税を請求書払いで支払える残高は、銀行口座や現金、ヤフオク!・PayPayフリマの売上金からチャージした「PayPayマネー」のみとなっていることです。

クレジットカード(以下クレカ)からのチャージや、ソフトバンクまとめて支払いでのチャージは「PayPayマネーライト」になるので、自動車税の支払いには利用できません。

しかも、PayPayカードから残高にチャージしてもポイントはつきませんし、PayPay請求書払いではポイント還元はありませんので、あえてPayPayで自動車税を払う必要はないでしょう。

●PayPay「2023年4月以降の「PayPay請求書払い」の「eL-QR」対応および支払方法の変更について」は→こちら

「PayPay」の請求書払いで自動車税を支払う手順



まず、PayPayのトップ画面で「請求書払い」を選択し、カメラで納付書の「eL-QR」か「バーコード」を読み込みましょう。これで自動車税の納付は完了です。ポイント還元はありませんが手数料もかかりません



PayPay請求書払いで自動車税を支払うときは、PayPayマネーのみ利用可能ですが、水道やガス料金など民間の請求書の場合は、PayPayマネーやPayPayマネーライト、PayPayポイントも利用可能です(筆者撮影)