アルゼンチンサッカー協会(AFA)は12月22日、メタバースで仮想の不動産を購入できるNFTゲーム「Upland」とライセンス契約を結んだと発表した。アルゼンチンプロサッカーリーグ(LPF)の試合映像などをUplandが独占的にファンへ提供できるようになる。AFAがメタバースサービスに参入するのは初めて。

Uplandのプラットフォームで、アルゼンチンプロサッカーリーグ(LPF)のクラブや選手、チケット、試合や名シーンなどのデジタルコレクションを提供する。契約は4年間で、LPFはそれらのNFTの販売で、新しい収益源を確保する。

Uplandは、2020年1月に公開されたメタバース系NFTゲームで、実在する土地とひもづいたバーチャルな土地が売買できる。1つの土地は1000円以下の手軽な価格設定になっており、ドルなどの法定通貨のほか、Upland独自の暗号資産「UPX」でも購入可能。購入した土地を開発して、家や店などを建てることもできる。

AFA との提携により、ユーザーはLPFのグッズを収集したりファン同士で交流したりして楽しめるほか、ユーザーが所有、運営している店でグッズやその他のデジタルコレクタブル商品を再販するビジネスを展開することも可能という。UplandはAFA に先立ち、11月に国際サッカー連盟(FIFA)との提携も発表。同月から開催されアルゼンチンが優勝を飾ったワールドカップ(W杯)カタール大会を記念した「ワールド カップ ビレッジ」を開設し、オリジナルNFTも発行していた。

AFAのClaudio Fabian Tapia会長は提携に際し「AFAは新しいテクノロジーを活用しファン体験を向上させる機会を長い間待ち望んできた。この契約によりLPFに参加するすべてのクラブに新たな収益源を生み出すことができる」とコメント。またUplandの共同創業者兼共同最高経営責任者(CEO)であるDirk Lueth氏は、「アルゼンチンファンにこれまで以上に多くの機会を提供し、ファンがアイデアや創造物を提供して新しい刺激的な方法でチームへの誇りを示すことができるようになる」と述べている。