米クレジットカード大手のVisa(ビザ)は12月20日、公共料金やサブスク購入品などの定期支払いを自動決済にするためにブロックチェーンを活用する意向を明らかにした。ユーザーと関連する秘密鍵のみで管理されるウォレット「自己管理型ウォレット」用に、自動決済機能を盛り込むことを目指すという。

Visaは、研究者やエンジニアでチームを構成し、プロトコルのセキュリティーや拡張性、相互運用性、プライバシーなどさまざまなブロックチェーンの基礎を研究し、可能なユースケースを提案するために協働していると説明。現在進行中の研究のひとつが「Account Abstraction(AA、アカウント抽象化)」を利用したシステムという。AAとは、暗号資産のイーサリアム開発者が提唱している概念で、ユーザーが自分のウォレットにプログラム可能な機能を組み込んでアカウントをよりスマートコントラクトに機能させる仕組みを指す。

自己管理型ウォレットはユーザーが秘密鍵を管理するため、支払いのたびにユーザーがブロックチェーン上で手続きをする必要がある。そこにAAの仕組みを用いることで、支払いの自動化が可能になるという。

Visaのプロトコル責任者のCatherine Gu氏は「顧客やパートナーのイノベーションを支援するためには、決済エコシステムに真の価値をもたらすことができる技術に没頭する必要がある」とコメント。ブロックチェーンプロトコルのコアコンピタンスの成長を重視しているとも明かし「ブロックチェーン技術は、分散型でプログラム可能な方法で決済を処理する新しい方法を示す可能性がある」と述べている。