若手起業家を育成する澤田経営道場で、起業に向けて日々勉強に励む山下楓美香さん。前回は、株式会社マイクリエイト代表の福島美穂さんから創業期に便利な補助金や助成金の活用方法を学びました。

今回からは3回にわたり、道場卒業生の先輩起業家のみなさんの体験談をお聞きします。初回のゲストは動画制作会社の株式会社dec bocを立ち上げた道場4期生の小栗紬さんです。

経験が少なくても、いちから勉強して起業した小栗さんの体験談

教育コンテンツの動画制作を行う株式会社dec boc 代表の小栗紬さんに、創業における疑問や質問をぶつけます!

山下さん

小栗さん、お久しぶりです! 

小栗さん

山下さん、起業の準備は進んでますか?

山下さん

はい、順調です! 道場の講師の皆さんに改めてお話を聞いて、起業に一番大切な意志と7つのスキルを学んできたんですよ。

小栗さん

それはよかった。私も後輩が後に続いてくれるのはうれしいです。

山下さん

それでですね、今日は私と同じくらいの年齢で道場に入った小栗さんの体験談を伺いたくて……。

小栗さん

私の?

山下さん

道場にはすでに多くの社会経験を積んでいて、それを活かした起業を考えている人もいますけど、小栗さんは新卒から数年で道場に入って、いちから勉強して今の会社を立ち上げましたよね。私の状況と近いので、ぜひお話を聞かせてもらいたいなと思いまして。

小栗さん

なるほど、そういうことですか。私の体験談でよければお話ししますね。

山下さん

よろしくお願いします!

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澤田理事長に憧れて道場に入り、得意分野を見つけた

小栗さんが澤田経営道場に入った理由は?

山下さん

小栗さんは、どうして道場に入って起業しようと思ったんですか?

小栗さん

私、もともと(HIS創業者で現代表取締役会長の)澤田さんに憧れていて、近くで勉強したいと思ってHISに入ったんですよ。でも、新入社員にとってはすごく遠い存在で、お会いすることもできなくて。
 
それでモヤモヤしていたときに先輩から「(澤田さんがつくった)道場があるよ」と教えてもらって、ダメ元で応募したんです。

2018年に小栗さんは、株式会社エイチ・アイ・エスの創業、スカイマークの設立、ハウステンボスの再生などの実績を持つ、日本を代表するベンチャー経営者の澤田秀雄さんが2015年に設立した人材育成道場「澤田経営道場」に入門した

山下さん

起業する際に、今の動画制作というクリエイティブ系の分野を選んだのはなぜですか?

小栗さん

HISにいた頃、法人向け部署でテレアポをやっていたんです。でもぜんぜんアポが取れなくて、自信をなくしてしまったんですよね。「私は仕事ができない人間なんだろうな」って。

山下さん

そんなぁ。たまたま苦手な分野だっただけでしょう?

小栗さん

今考えればそうですよね。当時は新入社員でそれしか仕事をしていなかったから、わからなかったんです。
 
でも、道場の研修でSNSを活用して現地の魅力を発信した時に、すごく喜んでもらえたんですよ。それで、クリエイティブの分野だったら私でも世の中の役に立てるかもしれないと思ったんです。もともと写真は得意だったので。

山下さん

得意分野を見つけたんですね!
 
ちなみに小栗さんは、創業時の資金ってどうしました? これまで先生方に資金調達や補助金の話をいろいろ聞かせてもらって、どうしようかな~って思ってるんですけど……。

創業資金について、小栗さんに真剣に問いを投げかける山下さん

小栗さん

私は100%自己資金だけでしたよ。動画制作はカメラとPCさえあれば、あとは出ていくお金は自分の人件費だけなので。それがこの業種を選んだ理由の一つでもあります。
 
というのも、家族の借金で苦労した友人を近くで見ていたので、借金スタートの会社経営はやめようと思っていたんですよ。だから、自己資金だけでスモールスタートできる事業を意識しました。

山下さん

「〇億円調達」とか聞くとやっぱりかっこいいと思いますけど、リスクもありますもんね。スモールスタートして、順調に回りだしてから大きく展開していくのも堅実でよさそうです