昔のアメ車は1気筒ミスした位でも平気で走行した ©sawahajime
「信頼のおける工業製品」の製造国を問われた場合、どこの国が挙げられるだろうか?国産(日本製)は当然だが、一般的には欧米諸国が思い浮かぶ筈だ。
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イギリス、スイス、ドイツ、フランス、イタリアや、北欧のスエーデン、デンマーク等々が挙げられるだろう。韓国や中国だと言う人は、皆無とは言わないが、決して多くはないと考えてしまう。
「安かろう悪かろう」の代表格の国の製品に、「信頼がおける」とする神経が筆者には判らない。
●一昔前の輸入車を棚卸し
現在の様に、輸入車のレベルが向上して、比較的手軽に購入される様になる以前は、「外車」はある程度の「覚悟」をして購入する必要があった。
例えばドイツ製なら、当時から最高峰と称賛された銘柄でも「電気系」に不安があった。
イタリア製の場合は、陽気なラテン系の乗りで、「晴れた日でも雨漏りするから、雨の日に水が浸入するのは当たり前」とか言われていた。
フランス車の場合は、「新車で買って、1年間のうち8カ月は整備入庫で、4カ月だけまともに乗れた」と友人から「自慢げに」聞かされた。
アメ車はラフな造りで、「8気筒のうち1気筒位死んでいても、そこそこ走る」とか言われていた。
当時は外車信仰から、始動性の悪いスポーツカーでも、「上手く始動できないのは、腕前が悪いのだ」と言われてそのメーカーは無罪放免だった。
外車乗りは、「クルマ通」を自認し、トラブルも「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」として、愉しむ余裕もあった。
勿論、その頃は未だ中国や韓国は「自動車産業」なんて呼べるレベルとは程遠かった。
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●初めて外車を買った人の反応
当時、外車は高額でもあり、一般人には手が届き難かった。
当時のアメ車ユーザーは、故障もある程度は覚悟しているから、例えば六本木辺りで故障したら、ディーラーに連絡して、その場に放置してタクシーなりで帰宅する。
その後、「修理後の車をどちらにお届けしますか?」とディーラーから連絡があって、「自宅に届けて置いてくれ」とか、「夕方までに会社に届けてくれ」といった指示をする。
外車に乗るという事は、そんなものだと割り切っていたのだ。
ところが、初めてアメ車を購入するユーザーは、「国産車よりも相当割高な車だから、従来の国産車の上級機種を買った」みたいな感覚でいる。
それが、国産大衆車でも起こらない様なトラブルに見舞われて、「大金を叩いたのに!」と、怒り心頭となる。
マツダが1981年に「オートラマ」なるフォードチャンネルを展開した際、「マツダ製のフォード車」には何等問題が起こらなかったが、米国製のフォード車を購入したユーザーは、アメ車がこんなトラブルを起こすのかと、アタマに来ケースもあった。
従来の、金持ちのアメ車乗りとの、認識の相違が著しかった訳だ。