■I.米国株式市場

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●1.NYダウの推移

 1)8/17、NYダウ▲290ドル安、34,474ドル(日経新聞より抜粋
  ・朝方に決算を発表した大手小売りが下げ、消費関連株の売りに波及した。米長期金利が上昇し、ハイテク株が下げたのも米株式相場の重荷となった。7月中旬以来の安値で終えた。
  ・小売りのウォルマートは8-17に四半期決算を発表した。併せて2024年1月期通期の業績見通しを上方修正したものの、売上高の伸びが市場予想に届かなかった。株価は高く始まった後に下げに転じ、▲2%安で終えた。売りは他の消費関連株に及び、ホームセンターのホームデポとスポーツ用品のナイキが下落した。
  ・債券市場では長期金利が一時4.32%と昨年10月以来の高水準を付けた。8月17日発表の週間の新規失業保険申請件数では23.9万件と、ダウジョーンズ通信が集計した市場予想24万件を下回った。労働需給の引締りが続き、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を長期にわたって、高く維持するとの警戒感が強い。金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株は相対的な割高感が意識され、顧客情報管理のセールスホースとスマホのアップルが下げた。
  ・NYダウは前日におよそ1カ月ぶりの安値を付けた。朝方は値頃感があると見られた主力銘柄に買いが先行し、NYダウは+100ドルあまり上昇する場面があった。四半期決算が市場予想を上回ったネットワーク機器のシスコシステムズが+3%上昇。原油高で石油のシェブロンも買われた。電気自動車のテスラと交流サイトのメタの下げが目立った。

【前回は】相場展望8月17日号 日本株: ゴールドマンサックスの8/10買い仕掛けは、早くも手仕舞い 8月相場は期待外れになる公算大 現金ポジションを高めて、10月相場に備えよう

 2)8/18、NYダウ+25ドル高、34,500ドル(日経新聞より抜粋
  ・NYダウは4営業日ぶりに小反発した。中国経済の先行き不透明感から売りが先行したものの、値頃感の出た銘柄に次第に買いが入り優勢となった。ただ、週末を控えた持ち高調整の売買が中心となり、相場全体の方向感は出なかった。米景気の底堅さや労働需給の引締りから米長期金利が高止まりすることへの警戒が根強い。株式の相対的な割高感が意識されやすく、株式相場は上値の重い展開が続いた。
  ・取引開始直後にはNYダウの下げ幅が▲200ドルを超える場面があった。
  ・NYダウは週間で▲780ドル安だった。週間の下げ幅としては3月6~10日(▲1,481ドル安)以来の大きさだった。
  ・経営再建中の中国不動産大手の中国恒大集団が8/17、ニューヨークで連邦破産法第15条の適用を申請した。このところ中国の経済指標が総じて低調ななか、不動産企業の経営問題が再燃し投資家心理を冷やした。
  ・米債券市場では長期金利が依然として高水準で推移している。米景気の底堅さを背景に、米連邦準備理事会(FRB)による金融引締めが長期化するとの見方が強く、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に、相対的な割高感を意識した売りも出やすかった。
  ・半面、値頃感の出た消費関連株や景気敏感株の一角の買いが、相場を支えた。市場では「夏季休暇を取る市場参加者も多く、薄商いな日だった」との声も。
  ・個別銘柄では、小売りのウォルマートやクレジットカードのビザが上昇。石油のシェブロン、ネットワーク機器のシスコシステムズなども買われた。前日に5~7月期決算発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズは上昇。半面、金融のゴールドマンサックスやスポーツ用品のナイキなどが売られた。ネット通販のアマゾンや交流サイトのメタなども下げた。