石川県を拠点に、トラックやトレーラーによる貨物運送業を営む「有限会社第一輸送」はこの度、バトンズを通じて「SUEMARU HOLDINGS株式会社」に会社譲渡を実現されました。SUEMARU HOLDINGSは、電気設備、空調設備工事を主軸に多角的な事業展開に取り組んでおり、今回が二度目のM&Aによるご成約となります。
もともとは廃業を検討されていたという第一輸送の創業社長である新菊夫様は、どのような経緯で事業承継に取り組み、今回のご縁に至ったのか。M&Aの経緯や譲渡を決めた想いについて、お話を伺いました。
譲渡企業 | |
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社名 | 有限会社第一輸送 |
業種 | トラック・運送業 |
拠点 | 石川県 |
譲渡理由 | 後継者不在 |
譲受企業 | |
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社名 | SUEMARU HOLDINGS株式会社 |
業種 | 電気設備・空調設備工事業 など |
拠点 | 千葉県 |
譲受理由 | 技術力・開発ノウハウの強化 |
廃業を検討していた最中、のと共栄信用金庫からM&Aのご提案が
有限会社第一輸送が設立されたのは、2006年のこと。もともとは新様が勤めていた運送会社の一事業部として始まり、そこから事業を独立する形で経営がスタートしました。
「金沢市に営業所を作るという話があり、私がその担当になりました。そこから営業所を独立させて有限会社第一輸送を創業したのが平成18年のことです。
後継者への引継ぎは10年ほど前から考えてはいたのですが、息子は県外で会社勤務をしており、従業員にも継ぐ人はいなかったので、どうしようかと考えていました。」
後継者不在により、数年前から廃業を検討していたという新様は、従業員の雇用も行わず、もともといる社員とアルバイトのドライバーでなんとか事業を存続させてきたと言います。
「後継者がいなかったので、いずれ廃業を選択する必要があるだろうと考えていました。そのため、新たに従業員を雇うということはしませんでした。ただ、今いる従業員のことを考えると、会社をたたむという選択もなかなかとることができず。それでも、私が70歳を過ぎ、従業員も高齢になってきたころ、『そろそろ解散やなぁ』という話をするようになりました。」
そんな折、偶然にも「のと共栄信用金庫」から事業承継のご提案をいただいたという新様。解散しか頭になかった新様にとって、M&Aの選択肢は目から鱗だったと言います。その後、のと共栄信用金庫のM&A担当者である西川様、浜田様とともに、バトンズも含めた後継者探しがスタートします。
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期間が限られた中でも、スムーズなM&Aを実現
M&Aを検討するにあたり、数社の買い手候補者と面談を実施された新様。その中で、息子様と同年代くらいでバイタリティ溢れる印象を持ったSUEMARU HOLDINGSに、会社の魅力と事業を伸ばしてくれる期待を感じたと言います。
「会社としての規模が大きく、運送業に知見があったSUEMARU HOLDINGSさんに譲ることを決めました。若々しくエネルギッシュな方々で、これから会社を成長させていただけるだろうという期待を感じたからです。
やはり、十数年運営してきた会社を手放すとなると、その後がどうなっていくのか、事業の行方が気になってしまいます。SUEMARU HOLDINGSさんは、ホールディングスとしてさまざまな事業に取り組んでいるしっかりとした会社ですし、この会社なら任せても安心だと感じました。」
初めてのM&Aに取り組まれた新様は、のと共栄信用金庫のM&A担当者である西川様、浜田様と3人体制でM&Aを進めていきました。メインで担当されていた西川様は、当時を振り返り以下のように話します。
「私自身、M&Aに取り組むのが初めての経験だったので、細かいところは浜田にもサポートをもらいながら進めていきました。私ができることは少ないものでしたが、『新様がどうしたいのか』ということに耳を傾け、できるだけ要望を汲み取っていただける買い手様のアプローチに努めました。
第一輸送様は廃業も視野に入れていたため、『12月までに決まらなければ会社を清算する』という期限が決められた中でのお相手探しでした。結果的にSUEMARU HOLDINGS様という素晴らしい買い手様と巡り合うことができ、大変嬉しく思います。」