アメリカ屈指のハンドメイドによるワークブーツメーカーWESCOを日本で広く浸透させた第一人者として知られる「ウエスコ・ジャパン」の代表、岡本直氏。数多くのWESCOのブーツを見てきた彼が選ぶ、とっておきのヴィンテージは友から譲り受けた1足だった。

自分の目で確かめライフスタイルに合うか否か。

ブランドとしての継承されてきた伝統や作られてきた長い歴史をはじめとするストーリー性のあるプロダクツに惹かれてしまうという岡本氏。それらを実際に自分の目で確かめ、手に取り自分のライフスタイルに合うものかを判断する。

もともとレザージャケットやブーツが好きでアメリカ中を探し回っていた時に出逢ったのが、WESCOだったという。そんな岡本氏が選んだとっておきのヴィンテージは一足のブーツ。


ラインナップするモデルの中でもハイトの高い16インチを誇るハイライナー

「かれこれ25年くらい前にオレゴン州のローカルレーサーとして活躍していたジョン・アドキンス氏の遺物を縁があって友人から譲り受けました。そのうちのひとつが、このハイライナーです。

かつてジョンが1950年代に実際にレースで愛用していたブーツになります。トラックレースでは踵を使うので、踵の強化とレースを有利に進めるためにヒールに金具を取り付けるなど、レーサーだった彼らしいカスタムが施されています。譲り受けた当初は、頻繁に履いていましたが、いまはショップのディスプレイとして飾っています」

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見ながらお酒が進むほどの美しいコンディション。

about 1950s WESCO High Liner

「サイドパッチやハーフスリップを取り入れたウエスコブーツのなかで最もヘビーデューティーなモデル。作られてから70年近く経っており、レースなどで実際に使用していたにも関わらず、革のコンディションが良く、型崩れもしていないのは、ウエスコの作りの良さの証明であり、説得力がありますよね。曲線美が素晴らしく、これを見ながらお酒が進みそうなほど、見惚れる美しさです」


(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)