【プロ顔負けのDIY】バッファロー吾郎・竹若さん、自作邸を見せてください!の画像一覧
「センスがいい」とよく口にするが、“センス”の軸は人それぞれ。MonoMaster3月号特集「MY ROOM STYLEセンスのある空間。」では、部屋作りの達人たちがこだわりを詰め込んだ個性が光る空間を取材。その特集内から1人目として登場していただくのがお笑い芸人/ バッファロー吾郎・竹若元博さん。建築費用は低予算だったが、奥さまの希望をなるべく叶えるために、竹若さんは内装のほとんどをDIYで作り上げたのだ。床のタイル貼りや珪藻土の塗り壁、キッチンテーブル、棚なども自作。自分ができることはすべて自分で。「ムラができるのも味」そんなポジティブ思考で完成した自作邸は、とても素敵なセンスのある空間だった。
PROFILE
お笑い芸人
バッファロー吾郎・竹若元博さん
NSC吉本総合芸能学院の同期、バッファロー吾郎Aさんとお笑いコンビ「バッファロー吾郎」を結成。2008年のキングオブコントで初代王者となる。俳優としての顔も持ち、ドラマや舞台にも数多く出演。現在はNSCの講師も務めている。
プロみたいな仕上げにはならないことを先に妻へ話す
低予算だったが、奥さまの希望をなるべく叶えるために、竹若元博さんは自身で内装の多くを手掛けたという。
「ハウスメーカーに妻の要望を伝えると『予算の関係もあるので、これは省きましょう』という提案が返ってくる。家は妻が長くいる場所。せっかく建てるのに、希望が叶っていない家に長くいるのは、ストレスになるんじゃないかと思ったんです」
京都出身の竹若さんはお笑いコンビ・バッファロー吾郎として関西で活躍。2010年頃の東京進出を機に、東京・世田谷へと移り住んだ。
「僕が子どもの頃はひとりでも外で遊んでいたけれど、いまは小さい子どもをひとりで外遊びさせておく環境の確保が都心では難しいと思ったんです」
そこで目をつけたのが、以前に奥さまがメディアで特集されていたのを見たという千葉の郊外エリアだった。訪れてみると、自分たちと同じような年代の人が多く暮らし、協力し合える環境だと感じた。
「子どもに遊び方を提供しすぎると、新しい発想が生まれてこない。ここだと時間がいっぱいあるけれど何して遊ぼうと自分たちで考えるんです」
同じような子育て世代が近所に多く、子どもたちを外遊びさせても近隣の親など、誰かがそっと見守ってくれるような地域だった。
「それで家造りが始まって、工期の10カ月中、半年くらいは僕がひとりで作業をしてました。電気工事とか免許が必要なことや階段などの構造的なものはプロにお任せして。後輩芸人に手伝ってもらって作業を一気に進めることも考えたのですが、送り迎えをして、お礼にご飯をご馳走して、それに付き合って……、というのを考えると効率が悪い気がしたので、結局は僕ひとりで作業をしました」
文化教室などで開催している講習を受け、さらに職人さんの作業を見続けては技術を盗んだ。
「プロみたいな仕上げにはならないことを妻に話すと『ムラとかができるのも味だと思う』と理解してくれました。長い時間が掛かったけれど、妻の要望を叶えてあげたいというのが、モチベーションになりましたね」
ほとんどをDIY!
トイレ、バスルームへと通じる扉はヴィンテージのドアを購入し、引き戸に変更して使用。
自分だけでなく子どもたちも使う2階のスペースは壁や扉を設けず、1階にいても存在がわかるようした。
自分で作った棚には仮面ライダーなどのコレクションがずらりと並ぶ。
ダイニングと向かい合うリビング。土間を挟むことで壁や扉がないのに空間が分かれる。
竹若さんがこだわったのは、出身の京都で子どもの頃から慣れ親しんだ土間のある暮らし。
キッチン収納は奥を職人さんに作ってもらい、見本にしながら手前の収納を竹若さんが作った。
水道工事はプロにお任せしたが、タイルを貼ったり棚を作るのは竹若さんが作業した。
撮影/山田真人 取材・文/野上真一(SIESTA PLANET)