日本を代表するSaaS企業へ

ーー振り返ってみて、蓮田さんにとっての一番の「ハードシングス」って何でしょうか。

蓮田さん:いま創業10年ぐらいなんですが、途中で業績不振により社員が減ったりと、思い返せばハードシングスだらけです。


でもすべて乗り越えてきた

ーー紆余曲折があり、2023年1月現在では社員180人の会社にまで成長しましたね。

蓮田さん:多くのメンバーとコミュニケーションを取るようにはしていて、まだまだ全員の名前やニックネームも覚えられる規模だし、趣味なども把握しているし、自分の中ではまだそこまで大きい会社になった印象はありません。

ーーではhacomonoが目指す、今後の展望について教えてください。

蓮田さん:特定業界をじっくりと深くやりつつも、横展開で業種を増やしていきます。それを「ボーリングピン戦略」って呼んでいるんですけど、「センターピン=フィットネスをはじめとしたウェルネス」を深く倒しながら、周囲の業界のピンも倒していく進め方です。


社内には、社員が使える最新の機器が勢揃いしたフィットネスルームがある

ーー日本では、まだ代表的なバーティカルSaaS企業がそこまで多くない気がしているだけにチャンスですね。

蓮田さん:そこは目指していきたいところではあります。まずはバーティカルなSaaSをウェルネス産業をメインに極めたうえで、その深さを維持しながらホリゾンタルに、いろんな可能性を探っていきたいですね。

蓮田健一(はすだ・けんいち)

株式会社hacomono 代表取締役CEO
株式会社エイトレッドのエンジニア、製品開発マネージャーとして、ワークフロー製品X-point、AgileWorksを生み出し国内トップシェアに。2011年、震災の影響で潰れかけた父の会社を継ぎ、介護事業を経験した後、新たなB2Bプロダクト起業を目指し、2013年7月株式会社まちいろ(現:hacomono)を創業。2019年3月にウェルネス産業向けシステム「hacomono」をリリースし、これまでに約2,400店舗以上が導入している

写真/武石早代 
取材・文/ヒガシダシュンスケ、おかねチップス編集部