●コロナ前に戻るのか?

 観光庁のデータによると、2019年には中国人の年間旅行消費額が1兆7700億円にも上っており、全訪日客の3分の1を占め、インバウンド需要に欠かせなかった。

 だが現状では、コロナ前の春節の状態にはほぼ遠い。

 日本政府は、中国国内でのコロナ感染者の急増を懸念。1月4日より中国本土からの入国者に対し、入国時のPCR検査、出国72時間前以内の陰性証明を義務付け、水際対策を強化したことで訪日客が二の足を踏んでいる。中国側でも代理店を通さないと訪日ビザが取得できず、所得制限もある。

 日中間の航空便もコロナ禍前の数%に留まるところもあり、アクセス面でもハードルが高い。

 受け入れる側の日本もコロナ禍でインバウンド向けのサービスを再構築しなくてはならず、この数年で物価高、人件費の高騰もあり、人手不足も深刻である。

 その点、観光客の受け入れに熱心なタイは水際対策を実施しておらず、中国からの春節での人気観光地におい1位となっている。タイ以外にもシンガポールやマレーシアなどの東南アジアに観光客が流れている。

 コロナ前の春節の光景に戻るのは来年以降になりそうだ。