知らないと損!所得控除に使えるセルフメディケーション税制の内容と申告方法を徹底解説


確定申告をする人にとって、所得控除に使える支出が何なのかを知ることは重要です。
社会保険料控除や住宅ローン控除などはよく知られていますが、薬局やドラッグストアで買った一部の医薬品の代金を控除できる「セルフメディケーション税制」を知っている人は少ないかもしれません。

日常的に買っている医薬品代は年間で結構な金額になっている人も多く、どんな医薬品が控除の対象になるのか知っていれば、確定申告に向けて準備することができます。
セルフメディケーション税制にスポットを当てて、徹底解説していきます。

セルフメディケーション税制とは

セルフメディケーション税制は、市販の医薬品購入額のうち12,000円を超える額を所得控除できる優遇制度です。「OTC医薬品」のうち、厚生労働省が指定する品目が対象となります。

OTC医薬品とは「Over The Counter:カウンター越し」の略で、処方箋なしに購入できる市販の医薬品のことです。

医薬品は主に病院などで処方される「医療用医薬品」と「OTC医薬品」の2種類に分類され、一般的な医療費控除で対象となるのは前者、セルフメディケーション税制が対象とするのは後者です。

OTC医薬品の中でセルフメディケーション税制に使える品目については、後ほど詳しく解説します。

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制度の目的は健康の自己管理

セルフメディケーション税制は2017年から始まった制度で、スタート当初は5年間に限定した特例制度でしたが、2022年以降も継続され対象品目の範囲が拡大しました。

増税にひた走る今の世の中で、なぜ市販の医薬品購入が優遇されるのでしょうか。
背景には高齢化と長寿命化による社会保障費の増大が考えられます。

財務省の発表*によると、2021年度の社会保障費は1990年度と比較して2倍以上となっています。財源は保険料や税金だけではなく、借金に頼っているため、国にとっては社会保障費を抑えることが非常に重要な課題となっているのです。

*財務省 これからの財政を考える

「社会保障費を抑えたいから、日頃の健康管理をしっかりとやって、病院に行かない身体作りをしてほしい」というのが国としての本音のように思えます。