世間一般的に既卒での就職は難しいいうイメージがあるかもしれません。また、既卒の人で就職できるのか不安に感じている人もいるでしょう。既卒が就職活動を成功させるためには、早めに行動し正しい就活準備を行うことが重要です。この記事では、既卒で就職活動について悩んでいる人に向けた、就職を成功させるポイントをご紹介します。

自分が今行うべきことを正しく理解して就職活動すれば、後悔のない社会人生活を始められるかもしれません。

既卒の意味とは

既卒の明確な定義はありませんが、一般的には高校や大学、専門学校を卒業した後の3年間で社会人経験がない人を指します。そのほかにも、卒業後にフリーターをしている人なども既卒と呼ばれています。既卒になる理由は人それぞれですが、とくに多いのは「海外留学をしていた」「重い病気で療養していた」「公務員や弁護士を目指している」などです。

また、一般的に既卒は求職者という意味が込められているため、全く働く気のない人は既卒の定義には当てはまりません。

既卒と新卒の違い

既卒と新卒の違いは学校を卒業しているかどうかです。新卒は新規卒業者の略語であり、主に最終学年の大学生などを指します。既卒は既に学校を卒業しており、新卒は今年度中に卒業予定で就職活動などを行っていると考えるのが一般的でしょう。

既卒と第二新卒の違い

第二新卒も既卒と同じように明確な定義があるわけではありません。既卒と第二新卒の違いは社会人経験があるかないかです。第二新卒とは一般的に高校や大学、専門学校を卒業した後に一度正社員として企業に入社し、3年ほどで退職して仕事を探す人を意味します。

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既卒とフリーターの違い

フリーターと既卒の違いは、フリーターは既卒よりも年齢の幅が広いことです。一般的にフリーターはアルバイトやパートで働いている15歳〜34歳ほどの若者を指す言葉です。既卒は、学校を卒業して3年以内のため、年齢で表すと22歳〜27歳ほどとなります。そのためなかには、既卒フリーターや第二新卒フリーターといった若者も存在しています。

職歴がない既卒は就職できる?

ここからは、職歴がない既卒の人の就職事情についてご紹介します。卒業してから一度も社会に出ておらず職歴がない既卒の人は、就職できるのか不安を感じているでしょう。とくに既卒は第二新卒とは異なり、基本的なビジネスマナーやスキルなども一から学ぶ必要があります。

ここからは、既卒の人の実際の就職状況について詳しく解説します。

既卒の就職率

マイナビが行ったマイナビ既卒者の就職活動における調査によると、既卒の内定率は約44%となっています。(参考:マイナビキャリアリサーチLab/2022年度 既卒者の就職活動に関する調査)
新卒や第二新卒と比べて内定率が低く、内定率が半分を下回っているため就職状況は厳しいと言わざるを得ません。しかし、言い換えれば半分近くの既卒者は企業から内定を獲得しています。

就職活動に向けた準備や取り組み次第では希望している企業から内定を貰えるでしょう。自分は何をしたいのか、どうなりたいのかを明確にし資格や業界研究を行うことをおすすめします。

既卒は新卒よりも就職難易度が高い

マイナビの2022年卒 企業新卒内定状況調査によると新卒者の80%以上が企業から内定を獲得していると発表しました。既卒者の内定率が約44%のため、およそ2倍近い差があることがわかります。現状、既卒は新卒よりも就職難易度が高く、企業からの評価も厳しいものになっているでしょう。

そのため、既卒者が就職活動を行う際は、はじめから長期戦で厳しい戦いになることを覚悟していた方がよいでしょう。新卒と同じ気持ちで就職活動をしていると、なかなか内定がもらえず時間だけが過ぎていってしまいます。今できることを考え、早い段階で就職活動に向けた準備をしましょう。

中途採用になる可能性もある

既卒で就職活動を行う場合、企業によっては中途採用枠で選考を進めることになる可能性もあります。その場合、同じ企業で選考を受けている他の応募者はすでに社会人経験があることになります。自分よりもスキルや資格を持っていることがほとんどのため、就職難易度はさらに上がるでしょう。

そのため、可能であれば既卒でも新卒と同じ条件で選考をしている企業に応募することをおすすめします。新卒はまだ社会人経験がなく、経験豊富な社会人に比べてスキルや資格も持っていません。まずは、既卒がどのような形で選考を進められていくのかを求人要項などで確認しましょう。

既卒になった主な理由

既卒になった理由は、人それぞれです。なかでも多いのが「新卒での就職活動がうまくいかなかった」「ほかにやりたいことがあり就職活動をしなかった」などです。既卒で就職活動をする場合、必ずといっていいほど既卒になった理由を企業から聞かれます。

その際に新卒で就職活動がうまくいかなかったとそのまま伝えてしまうと、企業にとって「あまりスペックが良い人材ではないな」と思われてしまうでしょう。また、ほかにやりたいことがあり、就職活動をしなかった場合でも、「危機感の欠如」や「学生気分が抜けていない」と感じられてしまうため、伝え方には注意しなければなりません。

既卒になった理由を伝える際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 就職出来なかった理由をポジティブに伝える
  • 就職できなかった原因について反省と入社意欲を伝える
  • 全体的にネガティブな発言をしない

既卒は新卒や第二新卒に比べて就職難易度は高くなりますが、既卒にしかない良さを積極的にアピールし内定獲得を目指しましょう。

既卒が就職活動にするべきポイント

ここからは、既卒者が就職活動に行うべき重要ポイントを3つご紹介します。既卒での就職は難易度が高いですが、諦めずに行動すれば内定を獲得できます。今自分がしなければならないことをしっかりと把握し就職活動に臨みましょう。

就職サイトやエージェントに登録する

まずは、就職サイトやエージェントに登録することをおすすめします。就職サイトやエージェントに登録すると多くの求人が掲載されているため自分に合った仕事を探せます。また、企業に応募する際に必要になる書類の添削や面接練習などのサポートも充実しています。自分が既卒であることを伝えれば、既卒を歓迎している企業を中心に紹介してくれるため、企業選びも楽になるでしょう。

ハローワークを利用する

全国各地に拠点があるハローワークを利用することもおすすめです。ハローワークでは、直接ハローワークの窓口で就職の相談や面接対策などのセミナーに参加できます。しかし、なかにはハローワークで求人を出している企業が空求人の場合があるため注意が必要です。空求人とは、求人を出しているにもかかわらず採用するつもりがない企業のことを指します。

そのため、空求人に応募しても時間を無駄にしてしまうため、応募をする前に企業のホームページを見たり口コミや評価を事前に確認したりしましょう。

アルバイトから正社員を目指すのもあり

なかにはアルバイトから正社員を目指す既卒者もいます。アルバイトから正社員になれば、職場のことを把握しており、仕事とのミスマッチを防げるでしょう。そのほかにも、基本的な業務ができるため正社員になったあとでも即戦力として扱われます。労働経済動向調査によるとアルバイトやパートから正社員に就職した人は全体の53%という結果がでています。

アルバイトをしていて今の仕事が気に入っている人は、一つの手段として考えるのもよいでしょう。

就職活動に向けて準備すべきこと

ここからは、就職活動に向けて準備すべきことをご紹介します。自分が何を準備しなければならないか把握しておかないと就職はうまくいきません。準備不足がないかどうか確認しましょう。

自己分析を丁寧におこなう

まずは、自己分析を行い、自分が何をしたいのか、どうなりたいのかを明確にしましょう。その際、5年後、10年後のキャリアについても考えるのがおすすめです。将来の自分を想像することでやるべきことが浮かび上がってきます。また、企業は面接でなぜ既卒になったのかを質問してきます。自己分析を徹底しておけば、企業が納得できる回答を行えるでしょう。

希望する企業と業界の研究をする

自分が希望している企業と業界の研究を行いましょう。どんな資格やスキルを求められているか把握することで選考を有利に進められます。
企業理念や近年の売上、新規事業の内容などを知っていれば企業側も入社意欲が高いと感じるでしょう。

資格勉強や取得を目指す

時間に余裕がある場合は、資格の取得を目指しましょう。資格を持っていれば企業にアピールできる大きな武器になります。求人要項のなかには資格必須のものもあり、資格を持っているのと持っていないのでは、天と地ほどの差があるでしょう。自分に必要な資格は何かを事前に調べて、資格に向けた勉強を始めることをおすすめします。

その際、ただ闇雲に勉強をするのではなく、計画的な勉強が重要です。

就職に向けた準備をしっかり行い希望する企業や業界に就職しよう

ここまで、既卒の就職事情や内定を獲得するために必要なことについてご紹介しました。既卒は新卒や第二新卒に比べて就職が困難です。しかし、就職活動における重要ポイントを意識し、準備を行っていけば希望する企業から内定を勝ち取れるでしょう。また、企業を選ぶ際に健康経営に力を入れている企業かどうかを調べることをおすすめします。

健康経営に力を入れている企業は、社員が働きやすい環境を整えており、福利厚生が充実しています。ワークライフバランスを重視する場合は健康経営にも目を向けるとよいでしょう。