流通経済研究所、セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンは10月17日、北海道における共同配送の実証実験結果を発表した。

<輸送時間23%削減>


内閣府戦略的イノベーション創造プログラム「スマート物流サービス」において、2022年2月に大手コンビニ3社によるチェーン横断的共同物流の実証実験を実施した。店舗密度が都市部よりも低い地方部(北海道)において、「コンビニ配送センター間の物流の共同化」と「遠隔地店舗(買い物困難地域)の配送の共同化」を検証したもの。

コンビニエンスストアの物流では、多くの在庫を持つ基幹センターと遠隔地にあるサテライトセンター間で商品の横持ち配送が行われている。今回は、自社のセンター間でしか実施されてこなかったこのセンター間の横持配送をチェーン横断的に実施した。セブン‐イレブンとファミリーマート、セブン‐イレブンとローソンの二つの組み合わせで、札幌近郊の基幹センターから、函館のサテライトセンターまでの横持ち配送の共同化実験を行った。

その結果、幹線共同化の効果は1便当たり1台減、距離275㎞減(48%減)、CO2排出量176㎏減(45%減)、2.5時間減(23%減)となっている。

新商品の発売タイミングなどでは、物量の増加によって、既存のトラックでは輸送力が不足してしまい、チェーンごとにトラックを追加手配していることがある。その場合など、今回実施した実証実験のようにセンター間の横持ち物流の共同化を行うことで、効率化が期待できるという。

さらに、物流効率があまり良くない遠隔地(過疎地域など)における店舗への商品配送共同化の効果測定(2020年度は都市沿岸部であったため)を検証した。

<遠隔地店舗への商品配送共同化の効果>


函館南西エリアにおいて、コンビニ店舗配送の共同配送化を行うことにより、チェーンごとに別々に配送する場合と比べて、配送距離を短縮化(61.9㎞減、22%減)、CO2排出量の削減(36.2㎏)、配送時間の短縮(23時間減、20%減)などの改善効果を確認できた。

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