■II.中国株式市場

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●1.上海総合指数の推移

 1)3/21、上海総合▲2安、3,077(亜州リサーチより抜粋
  ・戻り売りが優勢となる流れとなった。

  ・上海総合指数は2月に入ってから急ピッチに上昇し、足元では約5カ月ぶりの高値水準で推移していた。

  ・国内発の新規材料が乏しいなか、いったん利益を確定する動きがみられている。

  ・また、米中関係の悪化懸念も改めて意識された。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。

  ・中国経済の持ち直しや、相場の先高観が続いていることはプラスだ。米国の年内利下げ見通しも好材料。中国でも金融緩和の余地が広がると期待された。指数は高く推移する場面もみられた。

  ・業種別では、ハイテク関連の下げが目立ち、医薬も冴えない。公益・インフラ建設関連・自動車・空運なども売られた。半面、証券はしっかり。当局の相場テコ入れ策に対する期待感が続いているうえに、業界再編の思惑が浮上したことも支援材料となった。エネルギー・不動産・銀行・産金・海運・軍事関連も買われた。

 2)3/22、上海総合▲29安、3,048(亜州リサーチより抜粋
  ・米中対立の警戒感が重しとなる流れ。

  ・外電が3/22報じたところによれば、米超党派議員は3/20、米国のインデックスファンドに対し、中国の株価指数に連動する一部商品への投資を禁止する法案を米議会に提出した。

  ・人民元安の動きもマイナス材料。中国人民銀行(中央銀行)は3/22、人民元レートの対米ドル基準値を3日ぶりに元安方向に設定した。上海外国為替市場では、対米ドルの人民元安が加速し、約4カ月ぶりの安値を付けている。当局が元安を容認しているとの見方が広がるなか、資金流出の懸念も高まった。

  ・業種別では、保険の下げが目立つ。保険事業で中国2位の中国平安保険については、2023年通期決算の▲2割減益が嫌気されている。医薬も冴えず、素材・インフラ関連・ハイテク・消費関連・不動産・エネルギー

  ・運輸なども売られた。半面、メディア・娯楽はしっかり。通信ネットワーク・銀行の一角も買われた。