【2024年注目の天体ショー】満月・流星群・彗星の見ごろはいつ?【スマホニュース】
私たちの頭上では月の満ち欠けをはじめ、たくさんの流れ星が見られる流星群や、尾を引きながら輝く彗星といった神秘的な現象が日々発生しています。
そんな貴重なできごとを見逃さないよう、2024年に観察することのできる毎月の天体ショーを紹介。注目なのは、肉眼でもはっきり見える明るさになると予想される彗星の接近です!
2024年1月
三大流星群のひとつ、「しぶんぎ座流星群」から1年の天体ショーはスタートします。最も寒い時期とも重なるので、夜空を見上げるときは暖かい服装で楽しみましょう。■しぶんぎ座流星群
多くの流れ星を肉眼で見ることができる流星群を三大流星群と呼んでいます。「しぶんぎ座流星群」はそのひとつで、流星の発生が最も活発になる極大日は1月4日(木)18時あたり。見ごろは4日未明と5日未明でした。
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■ウルフムーン
身近な自然の移り変わりに名を付けたネイティブアメリカンは、1月の満月を「ウルフムーン」と呼びました。アメリカ北東部の雪に包まれた村の周りから聞こえる、狼の遠吠えがその由来なのだとか。満月を迎えたのは1月26日(金)2時54分でした。
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2024年2月
2024年の2月は閏年のため29日が存在します。これは地球が太陽の回りを一周する時間と、1日を24時間、1年を365日としたときのズレを補正するから。月の動きを暦の基本にしていた昔の人たちと、太陽の動きをもとにした暦で暮らす私たちの違いを感じる日でもあります。
■スノームーン
「スノームーン」はその名のとおり雪の多い季節の満月ということ。動物の活動が少なくなり、植物も雪に覆われることで食料が不足しがちな時期でもあり、「飢餓の月」という意味の「ハンガームーン」と呼ばれることも。満月を迎えるのは2月24日(土)21時30分。この満月は、2024年のうちで最も地球から遠い場所にある「マイクロムーン」です。
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2024年3月
春分の日を迎え星空の見える夜の時間が短くなっていくなか、注目したいのは金星。「宵の明星」の名で親しまれる金星ですが、この時期、夜明け前に南東から東の空の低い位置に燦然と輝く姿を見ることが可能です。■ワームムーン
立春や夏至といった季節を表す言葉「二十四節季」のひとつ啓蟄。2024年は3月5日(火)にあたります。土の中で冬ごもりをしていた虫などが現れるころという意味で、3月の満月「ワームムーン」もこれと同じ由来とされています。3月25日(月)16時00分に満月を迎えるので、場所によっては日没後に満開の桜と満月のコラボが楽しめるかも♪
2024年4月
2024年4月は「ポン・ブルックス彗星」「こと座流星群」「ピンクムーン」と、見逃せない天体ショーが続く月です。ちなみに4月9日(火)に皆既日食があるものの、残念ながら日本では見られません。■ポン・ブルックス彗星
「ポン・ブルックス彗星」は70年周期で太陽を回る彗星。明るい彗星になると予測されていて、太陽に最接近する4月21日(日)の近日点前後には肉眼でも見える可能性があるそう。■こと座流星群
突発的に流れ星の数が増えることのある「こと座流星群」が極大になるのは、4月22日(月)16時前後。22日未明と、22日深夜から23日未明が見ごろとなります。■ピンクムーン
シバザクラやクサキョウチクトウが咲き、野山がピンク色に染まり春の訪れを告げる月の満月が「ピンクムーン」です。4月24日(水)8時49分に満月を迎えますが日中のため、見るなら夜明け前がおススメ。
2024年5月
5月は、ゴールデンウィークの最後を飾るお楽しみといったタイミングで「みずがめ座η(エータ)流星群」が好条件で登場します。■みずがめ座η(エータ)流星群
極大は5月6日(月)の6時ごろとされています。未明から夜明け前にみずがめ座が見える位置、そして新月前という「みずがめ座エータ流星群」としては屈指の好条件がそろったこの機会をお見逃しなく!■フラワームーン
花々が咲き誇る5月の満月は「フラワームーン」と呼ばれ、春から初夏への移り変わりを感じる季節でもあります。最も月が満ちるのは5月23日(木)の22時53分。この先しばらく早朝や日中に満月となるので、夜空に浮かぶまん丸の月を見ることができるのは半年ほどお預けに。
2024年6月
6月は中旬より本格的な梅雨のシーズンになります。満月を除き大きな天体ショーがないため、貴重な好天のときは東の空にこと座やはくちょう座といった夏の星座を探してみましょう。■ストロベリームーン
4月のピンクムーンと並び、かわいい名称で人気の「ストロベリームーン」。北米大陸では野生のイチゴが収穫のときを迎えることから名づけられました。 6月22日(土)10時08分に満月となりますが日中のため、夜明け前もしくは日没後の観察となりそうです。2024年7月
7月下旬から8月の半ばにかけて、ふたつの流星群が夜空を彩ります。夏休みの自由研究や日記、思い出作りにどうぞ♪■バックムーン
バックとは牡鹿のこと。鹿の角がこの時期に生え変わることから呼ばれるようになったそう。ネイティブアメリカンの装飾品にも鹿のシンボルはよく見られ、家族の保護や軽やかに走る姿からスピードを意味するといわれています。バックムーンが見られるのは7月21日(日)19時17分。九州や沖縄ではまだ日没前の時間ですから、日が沈んでから満月を探してください。
■みずがめ座δ(デルタ)南流星群
5月の「みずがめ座エータ流星群」に続いて登場するのが「みずがめ座δ(デルタ)南流星群」。同じみずがめ座ではありますが、流星が出現する放射点が違うため呼び方も異なっています。見ごろは、極大になる7月31日(水)の前後数日の深夜から未明にかけて。月の条件が良くなる、極大日以降がおススメ。
2024年8月
三大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」が見られるのが8月。また、天の川が出現している時間が長いのもこの時期です。■ペルセウス座流星群
「ペルセウス座流星群」は、三大流星群の中でも1・2を争う流れ星の数を誇る流星群で、1時間あたり80個以上の流星を見る人もいるほど。2024年のペルセウス座流星群が極大になるのは8月12日(月)23時あたり。12日深夜から13日夜明け前までが一番の見ごろとなるうえ、12日22時30分前後には月が沈むので観察条件は文句なし!
■スタージョンムーン
スタージョン(Sturgeon)とはチョウザメのこと。チョウザメといわれてもピンとこないかもしれませんが、高級食材キャビアはチョウザメの卵巣をほぐしたもの。このチョウザメ漁が盛んになる時期の満月ということから「スタージョンムーン」という名になったそう。月が最も満ちる時間は、8月20日(火)の3時26分です。
2024年9月
お月見でおなじみの中秋の名月が訪れるのは9月。残念ながら2023年と異なり、中秋の名月と満月の日が一致しません。しかし、わずか半日違いなので、肉眼では分からないかも。■ハーベストムーン
北米ではこの時期に農作物を収穫(harvest)することから名づけられました。ネイティブアメリカンにとってトウモロコシは大切な食料のひとつで、命の源ともいえる作物。儀式に使われたり日用品のデザインに取り入れられたりもしています。満月になるのは9月18日(水)11時34分。17日が中秋の名月のため、まん丸には少し早いのですが、17日23時過ぎにお月見するのが◎。
北米の一部、南米、アフリカなどでは部分月食を見ることが可能。残念ながら、日本では見られません。
※9月を「コーンムーン」、10月を「ハーベストムーン」を呼ぶ説もあります。
2024年10月
秋の訪れとともに流星群のシーズンが到来。ふたつの流星群が見られるだけでなく、ハレー彗星に匹敵するといわれる彗星が出現する可能性があり、歴史的な天体ショーの目撃者になるかもしれません!■10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)
秋の流星群の最初を飾るのは「10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」。母天体のジャコビニ・ジンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)の名から、ジャコビニ流星群と呼ばれることも。10月8日(火)ごろに極大を迎えます。
■ハンターズムーン
食糧や皮を集めるために、木の実といった餌を食べて肥えた鹿や狐を狩猟する季節の満月から名付けられたのが「ハンターズムーン」。動物たち同様、人間もいよいよ冬に備えるシーズンを迎えます。満月になるのは10月17日(木)20時26分。この満月は、2024年の中で最も地球に近い「スーパームーン」です。
■オリオン座流星群
ハレー彗星を母天体とすることで知られているのが「オリオン座流星群」。突然1時間に60個以上の流星が見られるなど、時期によって放出される流れ星の数と活動時期にバラつきがあるのが特徴です。10月21日(月)22時あたりから、放射点の高くなる真夜中過ぎが観察に適しています。
■紫金山・アトラス彗星
2024年話題の天体ショーのひとつと注目されているのが「紫金山・アトラス彗星」の最接近。なんとこの彗星、8万年あまりの周期で回っていると考えられており、旧石器時代以来の接近となります。さらに凄いのはその明るさ。彗星は太陽に接近しないとその詳細を観測できないため予想の粋を出ないものの、金星に匹敵するかそれに近い明るさで輝きながら尾を引く可能性があるそう。
観察に適しているのは10月下旬。夕方に西の空を見上げ、見事なほうき星の出現を期待しましょう!
2024年11月
10月に引き続き複数の流星群を観察するチャンスのある11月。特に中旬は満月も登場するので、1週間のうち3日間は夜空に釘付けになりそう♪■おうし座南流星群
おうし座流星群は南と北の2か所に放射点があり、それぞれ別の流星群とされています。11月初旬に見られる「おうし座南流星群」は非常に明るい火球と呼ばれる流れ星が出現することから、偶然目撃したというケースの多い流星群です。
極大になるのは11月5日(火)。日の沈んだおよそ2時間後に月も沈むため、観察条件は良好。
■おうし座北流星群
南流星群から1週間。同じおうし座ですが、流星の放射点がより北側にある「おうし座北流星群」が見ごろを迎えます。11月12日(火)が最も活動が活発となる極大の日。ほぼ一晩中見える中でも、1時30分ごろに月が沈んでからが好条件に。
■ビーバームーン
「冬を迎えるビーバーが巣作りを開始する」「ビーバーの毛皮を得るため罠を設置する」時期の月という意味で名付けられたのが「ビーバームーン」。11月16日(土)6時29分が満月の時間ですが、夜明け前後のうえ、東京では月が沈んだ直後という残念なタイミング。16日に日付が変わったころから日の出前が観察におススメの時間帯です。
■しし座流星群
ビーバームーンの翌日の11月17日(日)は「しし座流星群」の極大日です。ところが満月の翌日で空が明るく、流れ星を見つけるのは難しいかもしれません。 しし座流星群は過去に多くの流れ星が出現した流星群でもあり、ぜひ見たいもの。比較的観察しやすいのは翌18日になった直後から未明にかけて。2024年12月
1年を締めくくる12月は、三大流星群のひとつ「ふたご座流星群」を楽しめます。気温が下がり空気が澄んでいるので、たくさんの流れ星を見つけることができるかも!■ふたご座流星群
「ふたご座流星群」は1時間に30~40個の流れ星が見られる流星群。毎年安定した数の流星を観察することが可能です。2024年は12月14日(土)の10時ごろに極大となるのですが、昼間のため見ることができません。見やすいのは13日深夜から14日未明となります。
■コールドムーン
読んで字のごとく、まさに寒さが厳しくなるころに昇る満月という名を持つのが12月の「コールドムーン」。この時期の満月は冬至に近いということもあり、夜が長く、よりひんやりとした空気を感じることから呼ばれるようになったのかもしれません。そんなコールドムーンが満ちるのは12月15日(日)18時02分。23時50分に最も高い場所へ登るので、15日夜はゆっくり満月を満喫できそうです。
流星群を観察するには、最低でも15分以上目を慣らすことが必要とされています。なるべく暗い場所で、できれば椅子などに座ったりシートに寝転がったりしながらゆっくり星空を眺めましょう。
また、流星は放射点に限らず、空全体に出現しますから、広い範囲を見渡すのがポイントです。
出典
国立天文台
※2024年1月16日現在の情報です。