いちはやく変化の兆しをみせる企業

変化という点では、むしろ企業の側はすでに変わりつつあります。従来使われてきたAI技術であるディープラーニングに対する生成AIの強みは、コンサルティングのような高度な知的技能の部分でも能力を発揮できるという点です。だからこそ、人間も小中高大学だけでなく企業に入ってからも学習を続けていく必要があります。

 

受験勉強のトラウマのせいか、日本人の多くは勉強が嫌いになってしまっています。しかし本来は、学ぶことは楽しいこと。小中高大学そして社会人という流れを通して、楽しみながら色々なことを生涯学び続ける「リカレント」がとても重要になってくると思います。

 

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多様性に配慮した製品が開発されるようになる

生成AIは、もう1つ大きなイノベーションをもたらしています。それは製品開発の多様化です。生成AIは対話型なので、多数の人間による大量の問いを受けます。それがいわば「御用聞き」のようになって、新しいニーズや新しいライフスタイルのデータを集めていることになるわけです。こうしてAIが集めてきた情報が、従来よりも細やかな多様性に寄り添う製品を生むことになります。

 

GetNavi本誌で紹介した「パーソナル食洗機(NP-TML1)」や「全自動の炊飯器(SR-AX1)」などは、多様なニーズやライフスタイルに応えて開発された製品。今後、生成AIにより一層“個人”に寄り添える製品が出てくると考えられます。

 

 

撮影/映美 取材・文/湯浅顕人 ヘアメイク/新井裕梨