2023年の“転職者”平均初年度年収は「456.6万円」でコロナ禍前より19万円増。人手不足対策で“未経験求人”増加も

株式会社マイナビは2024年1月26日、「正社員の『平均初年度年収』と『求人件数』の2023年総評」を発表した。調査期間は2023年1月1日~12月31日で、同社が運営する転職サイトの掲載求人および応募数のうち、正社員のみを対象とし集計している。本調査から、正社員の平均初年度年収額や、平均初年度年収が高い業種などが明らかとなった。

2023年の正社員平均初年度年収は「456.6万円」。コロナ禍前の2019年と比べ増加傾向に

個々人の希望に合わせ能動的に職場を選択できるようになりつつある昨今、企業の人手不足感はさらに高まっていくと見られる。賃金待遇の改善やキャリアップのための転職を考える人も増えると予想されるが、未経験者と経験者では、平均初年度年収や求人件数にどのような違いがあるのだろうか。

はじめにマイナビは、「正社員の平均初年度年収」を調べ、未経験者と経験者で比較した。すると、2023年平均では「全体」が456.6万円、「未経験者求人」が426.8万円、「経験者求人」が518.3万円だった。

また、2022年平均と比較すると、全体では「2.4万円増」、未経験者求人では「3.1万円増」、経験者求人では「4.1万円増」となった。正社員求人における初年度年収は、コロナ禍前の2019年から増加傾向にあることがわかった。

(広告の後にも続きます)

2023年の平均求人件数は「2019年比で147.4%」、「2022年比で15.4ポイント」増加に

続いて同社は「2019年の年間平均を100%とした求人件数の推移」をまとめた。すると、2023年の平均求人件数は、2019年平均を基準として147.4%で、2022年平均と比較して15.4ポイント増加した。

また、2023年の3ヵ月ごとの平均推移を見ると、2023年は年間を通して求人件数が増加し続けていた。この結果から同社は、「企業の中途採用意欲が高まっており、今後も転職市場は活発に動いていきそうだ」との見解を示している。

そこで、「求人の経験者/未経験者の募集比率」を調べたところ、2023年の未経験者求人は6割超で、経験者求人は約3割だったという。2022年平均と比べると、未経験者求人の比率が微増したとのことだ。これを踏まえて同社は、「コロナ禍で2020年以降未経験者求人を取りやめる企業が増加した影響はいまだ残っていると考えられるが、未経験者求人比率には復調の兆しが見える」とコメントしている。