2023年の“転職者”平均初年度年収は「456.6万円」でコロナ禍前より19万円増。人手不足対策で“未経験求人”増加も

平均初年度年収が高かった業種1位は「IT・通信・インターネット」で518.4万円

次に同社が「正社員の平均初年度年収が高かった業種ランキング」を調査したところ、1位が「IT・通信・インターネット」で518.4万円(前年(2022年)差+4.6万円)、2位が「金融・保険」で516.1万円(前年差+14.4万円)、3位が「コンサルティング」で501.5万円(前年差+8.1万円)だった。

そこで、未経験者求人(職種・業種ともに未経験で応募可能の求人)のみに絞ったところ、1位が「IT・通信・インターネット」、2位が「不動産・建設・設備」、3位が「コンサルティング」となった。いずれも2023年の平均初年度年収は500万円弱、前年差は5万円~7万円となったとのことだ。

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未経験者募集求人の比率が高かった業種は「運輸・交通・物流・倉庫」。2024年問題への対策か

さらに、同社が「2023年年間平均で『未経験者募集求人』の比率が高かった業種」をまとめたところ、1位が「運輸・交通・物流・倉庫」で84.4%だった。続いて、2位が「サービス・レジャー」で82.7%、3位が「環境・エネルギー」で81.9%となった。

これを受けて同社は、「運輸・物流業界では『物流の2024年問題』(2024年4月から時間外労働の上限が960時間に制限され、労働力不足が予想されている問題)が懸念されることから、運輸・交通・物流・倉庫業界では未経験者の募集を積極的にすることで、問題への対応を図っている」と推察している。

一方、経験者募集求人の比率が高かった業種ランキングは、1位が「IT・通信・インターネット」、2位が「メーカー」、3位が「金融・保険」だったとのことだ。

本調査結果から、2023年の正社員の平均初年度年収は456.66万円で、コロナ禍前の2019年と比べて19万円増加したとわかった。また、平均初年度年収が最も高かった業種は「IT・通信・インターネット」で、未経験者求人比率が高かった業種は「運輸・交通・物流・倉庫」だった。慢性的な人手不足に対応するため、未経験求人を含めた中途採用市場は活発化している。人材定着や人材獲得のために、企業は賃上げをはじめとした各種待遇の改善に注力する必要がありそうだ。