プロジェクトの運営や管理などを行い、制作物のクオリティに責任を持つPM(プロジェクトマネージャー)。プロジェクトを円滑に進行するためには、欠かせないキーパーソンとも言えます。そこで今回は各企業で活躍するPM3名に、プロジェクトを成功に導くために行うべきことを伺いました。

今回教えてくれたのは……

  • ファンタラクティブ株式会社 石田匡助さん
  • 株式会社Gaudiy 戸上凌太さん
  • 株式会社Rosso 原田大郷さん

ファンタラクティブ株式会社 石田匡助さん
「コミュニケーションのため、週に一度の定例会議は必須です」

石田匡助さん

新卒でWebエンジニアとしてサービス開発に従事した後、2020年にファンタラクティブ株式会社に入社。2021年からPMとしてサービス新規開発や改善を担当する。座右の銘は、「後悔先に立たず」。

――PMの仕事を全うするために、大切にしていることを教えてください。

石田さん

メンバーの誰よりも視座を高く持つことが大切だと思っています。サービスを開発する上で、何のためにこのプロジェクトを進めているのか目的を見失わず、常にプロジェクトの全体像を描くようにしています。

――プロジェクト成功に導くために、PMが絶対に行うべきことは何ですか?

石田さん

ステークホルダーとコミュニケーションが疎かにならないよう、週に一度定例会議を行うようにしています。定例で行うのは主に進捗の共有と提案になりますが、多くの人の意見を取り入れたり、現状の課題感などを細かくヒアリングしたりすることで、より良いサービスを開発することができると考えています。

――トラブルや困難に直面した時、どのようにチームを鼓舞し、乗り越えていますか?

石田さん

自分は結構ポジティブな人間なので、チームメンバーに自分自身が前向きであることを示します(笑)。
トラブルや困難は一人で対処できることが少ないので、チーム一丸となって解決していくことが求められます。その時のために、日頃から話しやすい雰囲気作りなどをしておくことがPMに必要なことだと思っています。

――PMに向いている人の特徴、必要なスキルを教えてください。

石田さん

ズバリ、「好奇心」です。弊社は社外チームとしてプロジェクトに参加することが多いので、もちろんサービスによってドメインやターゲットユーザーが違います。だからこそ、それぞれのプロジェクトで好奇心を持って学んでいけるかが、重要なポイントの一つになっていきます。

ファンタラクティブ株式会社

「ユーザーの声を全ての企業に届ける」をパーパスとして、デザインとエンジニアリングであらゆるユーザーファーストな体験設計を行う。PM、デザイナー、エンジニアがそれぞれ一つのチームとしてクライアントのプロジェクトに入り、コーポレートサイトなどのWebサイト制作やWebサービスのコンサルからUI/UX改善、開発まで手がけている。

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株式会社Gaudiy 戸上凌太さん
「ベクトルの方向性を整え、各人のベクトル量を増やす」

戸上凌太さん

2013年、 DeNA に新卒入社。エンジニアや技術コンサルタントとして、6本の新規サービス立ち上げに関わり、MVPを受賞。その後、人事に異動。採用リーダーとして、特にAI領域を中心に活動し、社内最高賞である社長賞を授賞。2018年にZENKIGEN に転職。AIを用いた感情解析サービスの立ち上げ、大手外資ITのアクセラレーションプロジェクトで有償。2023 年に株式会社 Gaudiy へ入社。座右の銘は、「第一希望しか見えないぜ、不死身のエレキマン」。

――PMの仕事を全うするために、大切にしていることを教えてください。

戸上さん

PMというポジションには「マネージャー」という言葉が含まれていますが、それは管理というより中央にいてハブとなる役割が求められていると考えています。
そうした中でPMの本質的な目的は、プロジェクトが一番高い成果を出すこと。ポジションにこだわるのではなく、チームが直面している最大の課題や、改善することによりチームが大きく進展する部分を誰よりも早く見つけ、そこをしっかり解消することが仕事だと思っています。

――プロジェクト成功に導くために、PMが絶対に行うべきことは何ですか?

戸上さん

まず前提として私は、PMは必ずしも成功に欠かせない存在ではないと考えています。プロジェクトが一番いい結果を出せるのであれば、チーム体制は何でもいい、と。

その上でPMがいることのメリットは、他の専門職と比べて、全体の情報を集約しやすいポジションにいるため、ロールの間に落ちてしまった球や、つなぐことで大きな成功になる箇所を見つけやすくなる点があります。
だから成功に導くために絶対に行うべきことはチームメンバーが向かうべき、ベクトルの方向性を整えることと、各人のベクトル量を増やすことが必須で行うべきことだと思います。

そのために私は、各チームメンバーが取り組んでいることすべてがプロジェクトの成功に繋がっていくように、目指すべき方向性の認識を合わせ、方向性を調整しています。その上で、各人がより高いパフォーマンスを出せるように、障害の排除や支援を行い、より高いアウトプットを出せるように支援していきます。

――トラブルや困難に直面した時、どのようにチームを鼓舞し、乗り越えていますか?

戸上さん

まず、困難に直面する前の対策として、「失敗や難題が発生するのはプロジェクトとして健全な状態である」という認識を全員で揃えるようにしています。挑戦すればするほど、失敗やリスクは上がってきますが、プロジェクトの成功において挑戦数が減る方が、問題が発生することよりも大きな問題になることが多いと思います。だからいかに「失敗しても良い」「そのケアをどうするかが大事」という価値観を与えるかを重要視しています。
 
もし困難に直面した時は、その問題を速やかに解消する方向で動きます。ステークホルダーとの関係調整から解決策の検討まで、あらゆる観点からプロダクトにとって一番良いソリューションを見つけます。既述の雰囲気がチーム内にあれば、チームメンバーや関係者からさまざまなアイデアが提案され、より良い解決法が見つかることが多いです。

――PMに向いている人の特徴、必要なスキルを教えてください。

戸上さん

そもそもPMという言葉の定義はすごく曖昧だと感じています。いわゆるプロダクトの要件を決定する部分から開発マネジメントまで、非常に広い文脈でPMという言葉が使われており、会社の役割によって求めるスキルは大きく異なると考えています。
 
それを踏まえた上でお答えするならば、一つは柔軟性です。自身の型に固執するのではなく、どんなチームでもパフォーマンスを上げるために、自分を変化させていけるしなやかさを持っている方ですね。
 
そしてもう一つは、研鑽能力です。必要になる様々な知識を追従するためにしっかりと必要な情報をキャッチアップして、日々学習できる研鑽能力が高い方がPMには向いていると考えています。総じて言えば、このチームを成功させたいという思いと、そのために自分じゃなく、チームのために徹底できることが大事だと思います。

株式会社Gaudiy


「ファンと共に、時代を進める。」をミッションに、Web3時代のファンプラットフォーム『Gaudiy Fanlink』を開発・提供するWeb3スタートアップ。NFT、ブロックチェーン、生成AI技術などの先端テクノロジーを強みに、Web3と日本が誇るエンタメカルチャーを掛け合わせ、グローバル規模の事業展開をめざしています。昨年シリーズBの調達を完了し、採用拡大中!