大和ハウスグループの大和ライフネクスト(東京都港区)は16日、マンション居住者向けに個室型ボックスをつかったオンライン相談サービスの実証実験を行うと発表した。コロナ禍以降、人々が在宅で過ごす時間が増えていることから、管理受託マンションのサービス向上につながる施策を開発する。

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 管理受託している都内のマンション2棟のマンション共用部に、個室型ボックスを導入。助産師や薬剤師などにオンライン相談ができるようにする。実証実験の期間は3月下旬から6月までの予定だ。

 助産師には、妊娠中の体調や産後のケア、乳児の発育相談、妊活などまで幅広く相談できる。個室内には、乳児向けの体重計も用意する。薬剤師には、花粉症などの抗アレルギー薬、ドクターズコスメ、漢方薬の服薬相談などができる。漢方薬のカタログも設置する予定。

 さらに、ロート製薬が主催する香りのコンサルタントにもつなぐ。生活シーンにあった香り選びの相談などが行え、心や体の健康向上に役立ててほしい考えだ。これらのサービスは個室型ボックスで利用できるだけでなく、マンション居住者ならオンライン経由でどこからでも利用できる。

 近年はリモートワークの普及やデリバリーサービスの利用拡大の影響で、自宅で過ごす時間が増えている。これを受けて、同社はマンション居住者の「ウェルネス」実現に役立つサービスの開発に着手した。

 ウェルネスとは、米国の公衆衛生医ハルバード・ダンが提唱した健康観。身体のみならず、感情や社会的、環境など7つの項目を満たすことで「輝く人生」を送れると定義している。

 日本国内でも少子高齢化や感染症拡大などの影響を受け、ウェルネスへの関心が高まっており、様々な産業でウェルネスに焦点を当てたサービスが誕生している。尚、ウェルネスの世界的な市場規模は、グローバルインフォメーションによると、2030年で4.7兆円に拡大すると予測されている。