●6.米格付け会社S&P、ファースト・リパブリックをジャンクに格下げ、預金流出懸念(ブルームバーグ)

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●7.バイデン大統領、SVB破綻を受け、銀行規制の強化を目指すと表明(ブルームバーグ)

 1)米大統領が緊急会見、「銀行システムは安全」、シリコンバレー銀行破綻(FNN)

●8.米金利引上げは一時停止、ゴールドマンのアナリストが予想(Forbes Japan)

●9.米NY州のシグニチャーバンク銀行も経営破綻(共同通信)

 1)米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入る。預金は全額保護される。

 2)仮想通貨業界に新たな打撃(ブルームバーグ)

●10.米財務省3/12、破綻のシリコンバレー銀行(SVB)の預金者を保護すると発表(共同通信)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)3/13、上海総合+38高、3,268(亜州リサーチより抜粋
  ・政策期待が投資家心理を上向かせる流れとなった。
  ・全国人民代表大会(全人代)が3/13に閉幕し、習近平・国家主席は「『強国建設』を推し進めていく」などと演説した。中国の新首相に就任した李強氏は、閉幕直後に初の記者会見に臨み、「民営経済」の発展環境は一段と改善し、成長余地はさらに拡大していくとの見方を示した。
  ・指標改善もプラス。中国人民銀行(中央銀行)が3/10に発表した今年2月の金融統計では、国内金融機関の新規融資が市場予想を上回った。マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸び率も上振れし、およそ7年ぶりの高い増加率に加速した。中国景気の持ち直しも意識された。
  ・業種別では、「デジタル中国」戦略で恩恵のある通信ネットワーク関連の上げが目立つ。ゼネコンも高く、エネルギーもしっかり。半面、自動車は冴えない。

 2)3/14、上海総合▲23安、3,245(亜州リサーチより抜粋
  ・外部環境の不透明感が嫌気される流れとなった。
  ・米地銀の破綻が相次ぐなか、昨夜の米株市場では銀行株の売りが継続した。金融危機(リーマンショック)以降で最大規模の経営破綻とあって、世界的に金融システム不安が広がっている。
  ・また、中国で3/15に今年1~2月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)がまとめて公表されることも気懸かり材料となった。内容を見極めたいとするスタンスが買い控えにつながっている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。
  ・全国人民代表大会(全人代)が前日に閉幕し、経済重視のスタンスが確認されたことはプラスだ。「国策銘柄」を物色する動きは続いている。
  ・業種別では、エネルギー関連の下げが目立ち、金融も冴えず、消費関連などが下落。半面、半導体や通信・ネットワークなど「デジタル中国」戦略で恩恵のある銘柄群はしっかり。

 3)3/15、上海総合+18高、3,263(亜州リサーチより抜粋
  ・中国経済統計の内容が好感される流れとなった。
  ・1~2月の各種経済統計は、小売売上高がプラス成長を回復するなど概ね良好な内容だった。市場では中国経済が持ち直したと分析した。
  ・米インフレの鈍化傾向、為替市場の人民元高も買い安心感につながり、指数は徐々に上げ幅を広げた。
  ・業種別では、インフラ建設関連の上げが目立ち、不動産も高く、金融もしっかり。半面、このところ物色されていた通信・ネットワーク関連の一角は冴えない。

●2.中国経済、今年成長率目標5%前後の達成は容易ではない=李強首相(ロイター)

●3.習氏、台湾統一に決意、全人代閉幕(時事通信)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)3/13、日経平均▲311円安、27,832円(日経新聞より抜粋
  ・シリコンバレー銀行(SVB)など米銀の経営破綻を受けて、投資家リスクの回避姿勢が強まるなか、日本株も売りが優勢となり、値嵩株や銀行株など幅広い銘柄が下落し、6営業日ぶりに終値で節目の28,000円を下回った。
  ・相対的に安全とされる米国債が買われた(金利は低下)流れで日米金利差の縮小を意識した円高・ドル安に傾いたことで、トヨタをはじめ自動車株にも売りが広がり、日経平均の下げは▲500円を超す場面もあった。米連邦準備制度理事会(FRB)の引締めの余波が他の銀行や、貸出を受ける企業側にも広がるという懸念も意識された。
  ・午前の東証株価指数(TOPIX)の前週末比の下落率が▲2%を超え、午後には日銀による上場投資信託(ETF)買いへの思惑が相場の下値を支えた。商船三井など海運株は上昇し、日経平均は大引けに掛けて下げ幅を縮小した。
  ・一連の米銀破綻を受けたFRBの金融政策への影響などを見極めたいと冷静な見方もあり、リスク回避一辺倒とはならなかった。
  ・ファナック・第一三共・ホンダ・TDKが下落。一方、エムスリー・JR東海・花王・イオンが上昇し、ファストリは小幅高で終えた。

 2)3/14、日経平均▲610円安、27,222円(日経新聞より抜粋
  ・米銀行の相次ぐ破綻を受け、世界の金融システムに混乱が波及するとの警戒から、リスク回避の売りが金融株を中心に膨らみ、下げ幅は2022年12月20日以来の大きさとなった。
  ・3/10に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続き、3/12にはシグネチャーバンクも破綻した。3/13の米株式市場では破綻の波が広がる可能性を警戒し、地銀を中心に銀行株が引続き急落した。東京市場でも銀行や保険・証券株が大幅に下落し、日経平均の下げ幅は午前には▲700円を超える場面もあった。
  ・国内では、日本郵政が3/13に傘下のゆちょ銀行の売出し価格を決定した。1兆円を超える大型売出しを前に保有株を売却し、売出し株を取得するための換金売りが出たとの観測も相場の重荷となった。
  ・日経平均は3営業日で約▲1,400円下落した。チャート上で下値メドとみられていた200日移動平均(27,353円近辺)を下回り、下げが加速した面もあった。TOPIXも3日続落し、下落率▲2.67%で終えたが、2022年9月22日以来の大きさ。
  ・三菱UFJ・三井住友FGなど銀行株の下落が目立ち、りそなは▲9%安・ふくおかFG・第一生命・東京海上・トヨタも売られた。一方、JR東日本など鉄道株・エーザイが上昇。

 3)3/15、日経平均+7円高、27,229円(日経新聞より抜粋
  ・前日の米国株高を受けて、朝方から買いが先行し、上げ幅は一時200円を超えた。前日まで大きく下げていたため、自律反発狙いの買いも入った。もっとも、買い一巡後は戻り待ちの売りに押され、大引け前には▲100円超安まで下げる場面もあった。
  ・前日の米株式市場の反発で、米銀破綻を背景とした投資家のリスク回避姿勢は一先ず和らいだ。東証プライム市場では全体の8割の銘柄が上昇した。前日まで大きく売られていた銀行株や保険株の上げが目立った。
  ・もっとも、買い一巡後の上値は重かった。日経平均株価は前日まで3営業日で▲1,400円ほど下落しており、上値では戻り待ちの売りが出やすかった。日経平均寄与度の高いファストリとソフトバンクGは下落し、2銘柄で日経平均を▲64円ほど押し下げた。
  ・神戸鋼・三井化学・コニカミノルタ・積水ハウスは上昇。半面、京王・京成・JR東日本・ZHDは下落した。

●2.日本株:日経平均はまだ高値圏にあり、米銀破綻の警戒売りが続く

 1)砂上の楼閣のように、砂の上に築かれた日経平均は高値水準に位置していた。
  ・日経平均株価は、日銀に買い支えられてきた歴史がある。
  ・日銀は、ETF(上場投資信託)による50兆円を超える買いで、日経平均株価の上昇を牽引してきた。
  ・さらに日銀は、日経平均やTOPIXが前場終値時点で「急落」と判断したら、後場に「ETF買い」を入れ相場の下落を止めてきた。今週も3/13、14と2日間で1,402億円もETF買いをして相場を下支えした。

 2)日本株の守護神である黒田・日銀総裁が4/8に退任し、次期総裁に交替する
  ・日銀は「異次元の超緩和策」の修正を求められている。
  ・外国人投資家からは「日本国債」を売り浴びせられ。
  ・米FRBの金利引上げで日米金利差が拡大し、「円安」に誘導された。
  ・世界の主要先進国が「金融引締め」に動くなかで、日本が唯一の「金融緩和継続」で「低金利」を維持している。この「ギャップ」を突いた世界の金融機関から日本は狙い撃ちにされている。
  ・植田・次期総裁の手腕に期待したい。

 3)外国人による先物の売越しは止まらない。
  ・3/1から、外国人の先物の売越しは「10日」に対して、買越しはわずか「1日」である。
  ・昨年夏の日経平均上昇の牽引役バークレー証券は、一貫して売り継続をしている。

 4)「金融正常化」に伴う痛みに耐えるしかない
  ・世界の金融界は、銀行破綻で金融システムが傷を負った。その主原因は、「超金融緩和が産んだ過剰流動性に起因」している。米欧の中央銀行は「インフレの高騰」を招いたため、金融正常化として「金融引締め」を昨年から始動させた。結果、金利上昇に伴って「債券価格が下落して、債券の含み損」が発生する事態となった。
  ・過剰流動性効果で人気沸騰した暗号資産(仮想通貨)だが、中央銀行による金融正常化で、暗号資産に暗雲をもたらした。暗号資産は「金(ゴールド)」のような「資産価値を裏付けるものがない」。結局、安全性に欠ける暗号資産は、過剰流動性の「あだ花」であったのかもしれない。
  ・「金融正常化」は、過剰流動性が産んだ「負」をも浄化すると思われる。その結果として、米地銀の経営破綻が相次いだとみる。

 5)銀行など金融株は要注目
  ・金利上昇で銀行は「利益を上げられる」構図である。
  ・しかし、銀行は企業への貸出額よりも、預金が多い状態である。その余剰資金を資金運用として「債券投資」を行なっている。その債券が金利上昇となると、債券価格は下落し、「債券の含み損」を抱える。
  ・債券を多く保有する金融機関の健全性問題に発展する可能性が出てくる。
  ・さらに、金融引締めで、景気後退が引き起こされ、企業淘汰が始まる可能性がある。そうなると、金融機関は「貸倒れリスク」が高まり、銀行経営の負担となる。
  ・保険会社も「債券投資」を行なっている。
  ・したがって、銀行・保険業種への株式投資は慎重さが求められるとみる。

●3.政府、小麦を4月から+5.8%値上げ(テレ朝)

●4.企業動向

 1)三菱電機  パワー半導体の生産拡大、熊本県内に新工場建設へ(NHK)
 2)ハウス食品 205品目を6/1から15%値上げ(TBS)

■IV.注目銘柄(投資は、ご自身の責任でお願いします) 

 ・4384 ラクスル      黒字転換。
 ・6095 メドピア      業績好調。
 ・8439 東京センチュリー  航空機需要回復期待。