業界やターゲット層に関わらず、どのような場合であってもかならず競合他社は存在します。競合他社がSEOに力を入れている場合、検索競争からは逃れられません。
そこで頼りにできるのが「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「 Trustworthiness(信頼性)」の頭文字をとった「E-A-T」と呼ばれる基準です。
今回は647件の検索結果を分析して分かった、E-A-Tに関する5つの重要事項について解説します。
E-A-Tを探る方法
Googleの品質評価ガイドライン(英語)では、WebサイトにはE-A-Tが必要であることが明確に示されています。しかし、E-A-Tがどのように測定されているかについては、あまり説明していません。
そこでSERPs(検索結果ページ)のリストを作成し、1ページ目を詳細に分析すれば、E-A-Tの要素を絞り込むことができるのではないかと仮説を立てられるのではないかと考えました。
E-A-Tは業界によって異なる影響を及ぼします。たとえば医療や金融商品など、YMYL(your money your life)とよばれる分野においては、非常に信頼性の高い情報を得ることが大前提です。
そこで今回は、7つのカテゴリー「法律」「保険」「医療」「ローン」「医薬品」「軍事」「情報質問」を選び、各カテゴリーについて10個のクエリを選びました。その結果得られたのが、70のSERPsと647の結果です。
今回はこれらの結果を分析し、32種類の要素に注目しました。そして、記録から以下のような情報を抽出します。
- 647件の検索結果で、もっとも多かったのはどの要素か?
- 上位3位までの210件で、もっとも多かったのはどの要素か?
- 選んだカテゴリー間で、傾向に違いはあるか?
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重要事項1. 独自性・関連性・最新性のあるコンテンツは評価されやすい
▲出典:Moz
今回の調査の結果、検索で評価されやすいコンテンツにおいてもっとも重要なのは、以下の3つであることが分かりました。
- 独自性
- 関連性
- 最新性
独自性
組織がみずから入手、分析、公表した情報を使ってコンテンツを作ることが、条件のひとつである「独自性」にあたります。
3位までにランクインしているWebサイトでは、70%がオリジナルな調査結果を掲載していました。このことから、独自のコンテンツ、つまりそのWebサイトにしか語ることのできないストーリーを掲載することの重要性が分かります。
関連性
独自性だけでなく、業界やターゲット層への関連性も重要です。
2022年にGoogleが実施したHelpful Content Updateでは、クリエイターに対して「サイトには主要な目的またはテーマがありますか」と投げかけています。これは、特定の領域に特化したコンテンツを作ることの重要性を示唆しています。
今回は、Webサイト全体でどれくらいのトピックをカバーしているかを、以下の方法で調査しました。
- クエリの親トピックを決定する。たとえば「保険の種類」の親トピックは「保険」、「世界に人間は何人いるか」の親トピックは「世界人口」
- Googleにインデックスされているページのうち、親となる言葉と完全に一致する言葉を含んだページを集計し、それをトピック・カバレッジ・スコア(TCS)として記録する
- 各クエリの1ページ目にある全結果のTCSを計算する
- 各結果のTCSを、そのクエリの平均TCSと比較する
結果、1ページ目のうち25%が平均のTCSよりも高く、トップ3にいたっては40%まで上がることが分かりました。つまり、トピックをカバーしているWebサイトが上位に表示される可能性が高いことを示しています。
最新性
調査の結果、トップ3の半数と、1ページ目全体の48%が、過去2年以内に更新されていました。
定期的に更新する必要がない、流行や季節にとらわれないトピックは数多くあります。日付を新しくするためだけにコンテンツを更新しても、上位にはランクインできません。
しかしタイムリーなコンテンツを作成し、必要に応じて古いコンテンツを更新(リライト)することは重要です。
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