AHSがサウンド関連ソフトで初めて年間トップ獲得 「BCN AWARD」2部門受賞!

 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、部門(ジャンル)ごとに年間販売数量累計1位の企業を表彰する「BCN AWARD」は、今年、25回目を迎え、111部門・56社が受賞した。2023年1月1日~12月31日の年間データを集計した「BCN AWARD 2024」のトピックスの一つは、「サウンド関連ソフト」部門の1位交代。「Synthesizer V」シリーズを手がけるAHSが初受賞を果たしたのだ。同社は前年に引き続き「ユーティリティソフト」部門も受賞し、ダブル受賞となった。

●「VOICEPEAK 商用可能6ナレーターセット」がヒット!



 まず、7年連続7回目の受賞となった「ユーティリティソフト」部門でのAHSの強みを紹介しよう。ユーティリティソフトは「ラベル作成」「伝票印刷」といった事務作業や「PC最適化」などのさまざまなお役立ちソフトを対象とした部門で、23年は一般企業からの引きも強いAHSの「VOICEPEAK 商用可能6ナレーターセット」が年間を通じて最も多く売れ、AHSのシェアは前年を超える35.7%に達した。

 VOICEPEAKは、最新のAI音声合成技術を搭載し、手軽に読み上げさせることが可能な入力文字読み上げソフト。「2022年グッドデザイン賞」を受賞した「VOICEPEAK 商用可能6ナレーターセット」は6人のナレーターに加え、幼い「女の子」の声も収録し、喜怒哀楽の感情表現も搭載している。規約の範囲内であれば特別な申請などなく商用利用が可能で、企業・団体・教育機関などから動画配信をする個人まで使い勝手は高い。価格もパッケージ版で2万円台と手ごろだ。デモ音声は公式サイトで聞くことができる。

 キャラクターを使用した個人ユーザー向け製品では、元々高いシェアを誇っていた「VOICEROID」シリーズに加え、新たに「VOICEPEAK」シリーズが登場。最新技術による高品質な読み上げや、キャラクターごとの個性を表す感情表現も好評を得ている。これらの総合的な売り上げ上昇がシェアを押し上げた。

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●新しい魅力的な歌声合成ソフト「Synthesizer V Pro」が人気に



 「サウンド関連ソフト」でもシェア30.8%で、クリプトン・フィーチャー・メディア(21.2%)を抑えて初の1位に輝いた。製品別でみても、高性能なエディタと歌声データベースを手ごろな価格で使用できる「Synthesizer V Studio Pro スターターパック」がトップに立ち、1位獲得の原動力となった。

 「Synthesizer V」と「初音ミク」で知られるVOCALOIDは主たる技術が異なり、Dreamtonicsが開発した音声合成ソフトウェアである「Synthesizer V」は18年に登場したソフトウェアだ。ほかに「Synthesizer V AI 重音テト」「Synthesizer V AI 桜乃そら」(ともに音声合成ソフト「Synthesizer V Studio Basic」付属)などが人気を集めた。