発展に導くヒント

今年は7月に紙幣のデザインが変更される。一万円札は渋沢栄一に、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎に変わる。それぞれの人選には、次の20年に向けた経済の発展や女性の社会進出、医学の発達などのメタファーが込められているそうだ。

▼デザイン変更は20年に一度。発表が早かった今回は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として採用し、改めて日本資本主義の父と讃えられる渋沢の功績が紹介された。

▼私事であるが今年還暦を迎える私にとって一万円札は聖徳太子、福沢諭吉、そして渋沢の順となる。昨年末知己を得た方は深谷ご出身の方。渋沢の“隣人”として、大河ドラマでは描かれなかった彼の素顔とエピソードをまとめた書籍を発行しており贈呈していただいた。「渋沢本」は巷に溢れているが、夏までに名著である「論語と算盤」と併せて読み返すのも良いのではないかと考えている。

▼食品業界も2024年問題を含め課題が山積みだが、個々の企業の成長だけでなく、業界を健全発展に導くヒントが随所に隠されているのではないか。