「食費いくら?」「電気代高すぎ!」細かすぎる夫に妻が感じた “週末を迎える苦痛”

ファイナンシャルプランナーの筆者のもとに、40代の新婚夫婦が相談に来られました。ひとり暮らしが長かった夫には、結婚するまでずっと実家暮らしだった妻の家計管理が我慢ならないとのこと。お金の管理は妻がすべきなのか。お金占いで分かった新婚夫婦のホンネと、ご夫婦の持ち味(適性)から着地点を見つけていきます。

<相談者プロフィール>

●夫 松山伸介さん(48歳・仮名)
・会社員
・年収700万円(手取り41万円/月・ボーナス59万円)
●妻 恭子さん(45歳・仮名)
・会社員
・年収420万円(手取り24万円/月・ボーナス38万円)
●共有の貯蓄
・400万円(普通預金)

自由気ままな生活を捨て40代で結婚

就職を機に生まれ育った京都から千葉に引っ越した伸介さん。大学時代の友人たちと年に数回のペースで出掛ける山登りが、日頃のストレス解消に大切な時間となっていました。

3年前、大学の後輩で登山初心者の恭子さんをアシストしたことをきっかけに、2人で食事に行くようになったとのこと。伸介さんにとって京都出身の恭子さんとのお食事は、子どもの頃の体験や価値観などがビックリするくらい似ていて心躍る時間だったようです。恭子さんも、決断力がありぐいぐい引っ張ってくれる伸介さんに淡い憧れを抱いていました。

ただ、ひとり暮らし歴25年で自由気ままな生活が身についてしまった伸介さんには、友人の枠から一歩踏み出す勇気はなく、恭子さんも居心地のいい実家暮らしをやめるつもりはありませんでした。

そんな2人が結婚に至ったのは、周りの人たちのおせっかいでした。長年、伸介さんと行動を共にしてきた友人たちからすると、恭子さんは伸介さんにとって最良のパートナー。ここを逃せば、一生独身生活になる! と考えたようです。

「人生にとって結婚がベストだとは思わない。でも、お互いに大切な人だと思っているのなら、結婚も悪くないのでは? 出会いは奇跡だからね!」

両親からの助言に納得した2人は、1年間のお付き合いを経て結婚に至りました。

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お金に関する価値観は合わなかった2人

価値観が合うと思っていたおふたりでしたが、お金の管理については全く意見が合いません。独身時代の伸介さんは、日曜日に1週間分の収支確認がルーティン。外食も含め1カ月の食費が5万円以内で収まるよう、調整しながらお金を使っていました。一方、恭子さんはざっくり派。お給料から天引きで貯蓄をしているため、残ったお金は自由に使って問題ないという認識でした。

これまで一度もひとり暮らしをしたことがない恭子さんにとって、家計管理は初めてのこと。それなのに、「今週の食費はいくらだった? こんなにかかるって電気代高すぎるんじゃないの?」と聞かれる日曜日が苦痛でしかありません。

ビーフシチューが食べたいのに、値段を見てミックスフライ定食を頼んでしまう自分に嫌気が差し、「もう一緒に出掛けたくない!」と家に閉じこもり気味に。独身時代に2人でよく行った洋食屋さんも、すっかり足が遠のいてしまいました。