推しがいる人がよく使う「〇〇からしか摂取できない栄養がある」とは?

【こっそりミームを教えます・128】 SNSでたまに目にするのが、「〇〇からしか摂取できない栄養がある」という言葉。好きなものや推しのいる人が使うワードのようだが、その使用例と語源を探ってみたいと思う。

●使い方自由な「〇〇からしか摂取できない栄養がある」の意味や語源とは?



 人間が健康的に生きていくには、必要な栄養素をバランスよく摂取する必要がある。これを趣味の世界へのメタファーとして推し広げた言葉が「〇〇からしか摂取できない栄養がある」だ。食事から得られる栄養と同様に、定期的に摂取しなければ健全でいられないほど、対象のコンテンツや人物が好きすぎることを表している。

 この言葉はSNSで度々見かけるものの、実はその語源や元ネタはハッキリと分かっていない。Xを遡ると2012年頃に類似の意味合いの言葉が発言されているため、ネット上で使われ始めたのはおおよそ10年前あたりと考えて良いだろう。

 ミームとしての「〇〇からしか摂取できない栄養がある」の一般的な使い方は、〇〇の部分に好きなコンテンツや人物の名前を入れて使う愛情表現だ。我々が栄養を摂取しなければ死んでしまうのと同様に、対象のコンテンツに触れなければ死んでしまうという比喩にすることで深い愛情が伝わりやすい。

 また、言い訳や免罪符のような自虐的な使い方もできる。客観的にはやりすぎと思えるほど趣味に時間やお金を掛けすぎていても、この言葉を使うことで生きるために必要な栄養を摂取しているだけだと強気でいられるだろう。アルコールの飲み過ぎや高カロリー食品の食べ過ぎなど、罪悪感を感じる食事行為に対する言い訳としても役に立つ。

 「〇〇からしか摂取できない栄養がある」は使い勝手の良さからネット上でも好まれるミームのようで、「ラーメンからしか摂取できない栄養がある」「オタクコンテンツからしか摂取できない栄養があるんだよなー」といった使い方が見られる。本当の意味での栄養と同じく摂取しすぎは毒にも薬にもなることを肝に銘じて、うまく使ってみると面白いだろう。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている