年収が高い会社ランキング2023【愛知除く中部地方トップ5】1位は1200万円超、2位と4位も急上昇

1位はファナック

平均年収1283.7万円

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2023【愛知除く中部地方】」をお届けする。対象は、愛知県を除く中部地方(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県)に本社を置く上場企業で、期間は2022年5月期~23年4月期。平均年収、従業員数、平均年齢は単体ベースで、従業員数20人未満は除外した(その理由は完全版に明記)。

 それでは早速、ランキングを見ていこう。

 1位は、工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のファナックで、平均年収は1283.7万円(平均年齢40.2歳)。このランキングで唯一の1000万円超えであり、2位に300万円以上の大差をつけた。

 ダイヤモンド編集部の年収ランキングは、同様の趣旨で毎年数値を更新しているのだが、3年前に行った『年収が高い企業ランキング2020【愛知除く中部地方・全100社完全版】』では、ファナックの平均年収は1216.4万円(平均年齢40.3歳)だった。3年で67.3万円も平均年収を上げたことになる。

 ファナックの本社は山梨県忍野村にある。富士通のNC部門が分離して設立された同社は、もともと東京都日野市に本社があったが、1984年に現在の場所に移転した。

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平均年収が急上昇した

2位の日置電機と4位のスター精密

 2位は長野県に本社がある電気計測器メーカー、日置電機で平均年収は980.4万円(平均年齢46.1歳)。21年版ランキングは769.9万円(平均年齢45.1歳)、22年版は923.0万円(平均年齢45.9歳)と大幅な増加傾向にある。その背景にあるのは好調な業績だろう。

 世界的に脱炭素化が進む中、バッテリー、モーター、電子部品関連の計測器需要は高い。同社の計測器は細分化されたニッチな市場でそれぞれシェア上位を誇る。日置電機の22年12月期の業績は、売上高343億7100万円(前年同期比17.2%増)、当期純利益53億3000万円(同17.9%増)と好調で、営業利益と経常利益は過去最高となった。

 3位は北海道銀行と北陸銀行の持ち株会社、ほくほくフィナンシャルグループ(FG)で平均年収は968.4万円(平均年齢49.2歳)。22年版の平均年収からは2.7%減ったが、トップ5にランクインした。

 なお、持ち株会社は一般的に、企業グループにおける“少数精鋭部隊”であり、グループ全体の年収水準よりも高い傾向がある。

 4位はスター精密で平均年収は939.1万円(平均年齢42.4歳)。静岡県に本社を置く、小型プリンターや工作機械 (CNC自動旋盤等工作機械)を製造するメーカーだ。時計や自動車、歯科用の精密部品を加工する工作機械で高い世界シェアを持つ。

 22年版ランキングの平均年収は774.1万円。今回、21.3%も平均年収を伸ばした背景には、2位の日置電機と同様、やはり好調な業績があるだろう。22年12月期決算は、主力の工作機械の販売が海外市場、国内市場ともに大幅に増加し、さらに円安の恩恵も加わり、大幅な増収増益だった。売上高、当期純利益は過去最高を更新した。

 5位は北國フィナンシャルホールディングス(HD)で、平均年収は926.9万円(平均年齢43.5歳)。石川県に本社を置く北國銀行グループを統括する金融持ち株会社だ。

 ランキング完全版では、6位以下の全200社の順位と平均年収を掲載している。惜しくもトップ5入りを逃したヤマハ、また、スズキ、ヤマハ発動機、セイコーエプソン、スルガ銀行、100円ショップのセリア、アウトドアブランドのスノーピーク、家電のツインバード、キノコのホクト、ホームセンターのコメリなどは何位にランクインしているのか、ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)