ついに1億件を突破、本格的な利活用時代に移行するマイナンバーカード

●マイナンバーカードの役割



 マイナンバーカードには三つの役割がある。一つは公的な身分証としての役割。もう一つは自身の個人番号(マイナンバー)を証明する役割。残る一つはオンラインでの本人確認に使われるデジタルID(公的個人認証サービスの電子証明書)の役割だ。

 健康保険証のデジタル化において使われるのも、マイナンバーではなく、まさにこのデジタルID(公的個人認証サービスの利用者証明用電子証明書)である。

 公的個人認証サービスの利用者証明用電子証明書のシリアル番号と健康保険証の記号番号をあらかじめひも付けておくことで、医療機関のICカードリーダーにマイナンバーカードをかざし、利用者証明用電子証明書を読み取って、オンラインでそれに対応する健康保険証の記号番号を取得し、健康保険資格の有効性を確認する仕組みだ。

(広告の後にも続きます)

●便利に使えるシーンが増えてくる



 現在、マイナポータルでは「医療費通知情報」「薬剤情報」「特定健診情報」などが確認できるようになっている。また、過去3年間に支払った医療費がグラフ表示され、増減が一目で分かるようにもなっている。

 医療費通知情報は、確定申告の医療費控除の際に大変役に立つものだ。保険診療については、家族分も含め、いつ、どこで、いくら払ったかが瞬時に分かり、申告書にも自動で転記してくれる。

 また、高額医療で必要になる限度額適用認定証も、医療機関窓口でマイナ保険証を提示し、医療機関への情報共有に同意すれば、認定証がなくても上限を超えた分の支払いは免除される。これらのことは、一昔前には想像もできなかったことだ。

 今後、日本が持続可能な社会となるためにはデジタル変革が急務であり、社会のデジタル化には、この三つめのデジタルIDの普及・利活用が最も重要であることはいうまでもない。デジタル化に向けた取り組みの一層の推進が期待される。(シーイーシー・加藤雄一)