小林製薬「紅麹」問題と2025年新卒採用活動休止の解説


2024年3月、小林製薬が同社の機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人物において、腎疾患等の健康被害が発生したとの報告を受けたことを発表しました。

その後、小林製薬が同問題に対するお願いとお知らせを第9報まで発表する(2024年4月8日現在)など、事態は収まる気配を見せません。ついには、小林製薬が2025年新卒の採用活動を休止することも判明しました。

本記事では、紅麹問題の経緯やバックオフィス部を中心とした社内外への影響などについて説明します。

紅麹関連問題の発生と経過

2024年3月22日、小林製薬の公式ホームページにて、「紅麹関連製品の使用中止のお願いと自主回収のお知らせ」と題されたニュースリリースが公開されました。

そのリリースにおいて、同社の「機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』を摂取した人において腎疾患等が発生したとの報告を受けたこと」と「自社製品の紅麹原料の成分分析を行った結果、一部の紅麹原料に意図しない成分が含まれている可能性が判明したこと」が報告されたのです。

また、あわせて「紅麹コレステヘルプ」をはじめとする複数商品の自主回収を行うことも発表されました。

その後、「事実および因果関係は調査中」としながらも、紅麹コレステヘルプ使用者が死亡していたことが小林製薬のホームページで報告されたことで、社会に大きな影響を与えました。

小林製薬は2024年3月28日のリリースで、2024年12月期連結業績への影響は精査中としていますが、甚大な影響が及ぶ可能性は決して低くないでしょう。

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厚生労働省の大阪市に対する通知と大阪市保健所からの行政処分

紅麹の問題を受け、厚生労働省は大阪市に対して、2024年3月26日付で「紅麹を含むいわゆる健康食品の取り扱いについて」と題する通知を発令しました。

そこでは、紅麹コレステヘルプを含む3食品において、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第6条第2号に該当するものとして取り扱い、同法第59条に基づく廃棄命令等の措置を講じるように指示されています。

また、大阪市保健所は翌3月27日付で、上記製品の回収を命じる行政処分を講じました。