【アウトドア銘品図鑑】
今やキャンプの定番アイテムとなったのがSOTO「レギュレーターストーブ ST-310」(以下、ST-310)。
大型ゴトクは大きめの鍋を載せても安定するし、寒い時期でも安定して使えます。なによりも燃料が手に入りやすいCB缶だから、飛行機を利用するときも安心。ただ、正直、ちょっと重い…。
登山用のOD缶バーナーなら100gを切るのは当たり前、OD缶の分離型バーナーでも200gを切るのに「ST-310」は330g。登山や徒歩キャンプだと少々厳しいなぁ…。なんて思ってましたが、この春、待望の軽量モデル「レギュレーターストーブ TriTrail ST-350」(9900円 以下、TriTrail)が発売されました!
ただ「ST-310」をチタンにしただけではないんです。
■圧倒的に薄く、軽くなった
「TriTrail」は「ST-310」の扱いやすさはそのまま、より持ち歩きしやすくなっています。
▲「TriTrail」(左)の収納サイズは112×47×H113mm、「ST-310」(右)の収納サイズは140×70×H110mm
「ST-310」にソックスを履かせているのもありますが、大きさの違いは一目瞭然。
バーナー自体のサイズはほぼ同じですが、「ST-310」は風防の分だけゴツい。それに脚も1本減ってスッキリたたまれています。
▲「TriTrail」は138×156×H111mm、135g、「ST-310」は166×142×110mm、330g
広げるとさらに大きさの違いがわかります。一番の違いは、遮熱板の大きさと脚の数。ゴトクもやや短くなっています。
底が小さなシェラカップはうまく載せられませんが、ゴトクの長さは燃焼時の一酸化炭素量にも影響するそうなので、こればかりはどうにもできません。
「TriTrail」は3本脚に見えますが、よく見ると燃料缶のすぐそばに小さな脚が! 超短足ではありますが、たっぷりの湯を沸かすなんてときも接続部への負担を低減しそう。
チタンを採用しつつ、安全性と軽量化のギリギリを攻めることで重量は約半分。薄く、半量サイズの新作CB缶を使えば登山モデルと呼ぶには十分アリです。
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■点火スイッチが押しやすい
「ST-310」の弱点だった点火スイッチですが、「TriTrail」ではオプションを装着しなくても押しやすいレバーに変更されています。
しかも樹脂製ではなくここはステンレス製。なんだかカッコいい。
火力調整つまみも樹脂ではなく、ギア感マシマシ。
バーナーは中心に向かって低くなるすり鉢型を採用しています。「マイクロレギュレーターストーブウインドマスター」(以下、ウインドマスター)と同じで、風にも強いんですね。
バーナーの下側を見ても「ウインドマスター」そっくり。そういえば「ウインドマスター」も3本ゴトクです。
ここら辺からも、キャンプ向きの「ST-310」を軽量化したのではなく、「TriTrail」は山岳用「ウインドマスター」に近づけた本格登山用バーナーだという主張が伝わってきますね。
▲「TriTrail」
▲「ST-310」
ちなみに発熱量はCB缶「SOTOパワーガス ST-760」(以下、ST-760)使用時で2.6kW(2200kcal/h)。「ウインドマスター」よりも低いけれど低温時にもこの発熱量を発揮してくれるのであれば頼もしい。
注目したいのはバーナー使用時の重量。
「ウインドマスター」の場合、ゴトクと本体(67g)にOD缶「SOD-725T」(385g)を加えれば452g。
「TriTrail」本体(135g)に「ST-760」(354g)だと489g。
「TriTrail」はゴトクが大きく、同じ3本脚でも鍋を載せたときの安定感がまるで違うのに、「ウインドマスター」+燃料とわずか約135gの差。
CB缶バーナーは重いという印象を覆す事実です。