【趣味の傑作ギア買い物リスト】

動画編集自体は大抵のPCでできるものの、編集頻度や量が増えてくると、PCのスペックにこだわった方が作業のテンポは格段に良くなる。ここでは動画編集に臨むうえでギアを一段UPしてくれる新モデルを紹介しよう。

*  *  *

動画編集といえどコーデック(映像や音声データの圧縮方式)や、コンテナフォーマット(圧縮した映像・音声データを格納するファイル形式)は多様だ。例えば「YouTube」が推奨するエンコード設定は動画コーデックが基本的な「H・264」、コンテナフォーマットが「MP4」である。

昨今はPCが搭載するSoC(システムオンチップ)自体が動画のエンコード・デコード処理を専用で行う処理回路として「メディアエンジン」を備えていることが増え、これが対応するコーデックでは効率的な処理が期待できる。例えばアップル「M3」やインテル「Core Ultra」シリーズなどは、「H・264」のような基本的な動画コーデックはもちろん「AV1」のような新しい世代のコーデックまで幅広くカバーする。

一方、動画編集に適しているかどうかには、これ以外にもGPU性能や、ディスプレイサイズと色域・コントラスト、内蔵スピーカーの質なども関係するため、多角的な判断が必要だ。


ITライター/井上晃さん

スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、最新ガジェットやI Tサービスなどを取材。Webメディアや雑誌に、記事を寄稿する。X:@kira_e_noway

 

1. 初挑戦ならAirでバッチリ

Apple

「M3搭載 MacBook Air」(16万4800円~)

M3のメディアエンジンは「H.264/HEVC/ProRes/ProRes RAW/AV1」などのコーデックに対応。YouTube投稿からこだわりの作品制作まで幅広く対応できるでしょう(井上さん)

3月に発売された最新モデルは、Appleシリコンの「M3」チップを搭載。ディスプレイサイズは13インチと15インチの2種類をラインナップする。ストレージは256GB ~2TB、メモリは8GB~24GBを選択可能。新たに「Wi-Fi 6E」もサポートした。


▲電源用のMagSafe 3とは別にThunderbolt/USB 4ポート×2を搭載。画面を閉じた状態では、最大2枚の外部モニター出力に新対応


▲「Final Cut Pro」を使った動画編集では、「M1」チップを搭載したかつての13インチモデルと比べて最大60パーセント高速に


▲3nmプロセス設計の「M3」チップは、250億個のトランジスタを搭載。CPUパフォーマンスは、M1より最大35パーセント高速

 

(広告の後にも続きます)

2. クリエイティブに使える新モデル

エプソンダイレクト

「Endeavor NJ8000E」(26万700円~)

3DCGやゲーム開発などのクリエイティブワークまでが想定された一台で、今世代から画面が縦に広くなりました。定額の保守サービスが充実していることもポイントです(井上さん)

23年12月に発売された16型モデルで、画面アスペクト比は16:10。色域はsRGB 100%をカバーする。プロセッサは第13世代インテルCore i5-13500Hを、GPUはNVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPUを搭載。


▲ポートは、右にThunderbolt 4やType-A、左にType-A、オーディオ、奥にType-C、HDMI、ミニDisplayPort、LAN、電源など


▲キーボードはテンキー・バックライトを備えたJIS配列。タッチパッドはキー配列の中心に合わせて、やや左に寄った位置に配置