Photo: 当時の給与ベースから換算すれば50数万円した愛機 ©sawahajime

●はじめは写真技術の話から

 最近は、カメラを持ち歩かずとも、スマホで写真は撮れるが、昔はまともな写真を撮るにはそれなりの性能のカメラと、撮影技術レベルが求められた。

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 昨今のカメラは、たとえど素人が扱っても、そこそこの写真が撮れるが、昔はそんなに簡単なものでは無かったのは事実である。

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●昔のスポーツカメラマン

 相撲の写真も、今なら一瞬の決め技を「連写」で逃す事無く撮れるし、そこで残って、逆転して勝負が決まっても、再度連写すれば、リカバリーも可能だ。

 しかし昔の土俵際の相撲写真は、一発勝負だった。

 当時のカメラマンは、スピグラ(スピードグラッフィク)と言うカメラを土俵下で構えていた。

 1升マスの一回りぐらい大きな箱型カメラで、ボディの横に家庭用電球位のサイズのフラッシュ球(閃光電球)を備えた、アレだ。

 ストロボと違って、閃光電球は1回発光のみだ。「決まり技だ!」とシャッターを切ったところ、土俵際で残されて逆転した場合には、「決定的瞬間」を逃してしまう。