男性向けのヴィンテージウエアを販売する「クラウリーヴィンテージ」のオーナーを務めるショーン・クラウリーさんは、自身をプレッピーではないと話すが、佇まいはプレッピースタイルそのもの。プレッピーの体現者の愛用品やルールを通して、プレッピーとはなんなのか? そのスタイルやマインドをすこしずつ紐解いていこう。

▼プレッピーってそもそもなんだ?

プレッピースタイルとは? 誕生から現在に至るまでその歴史を振り返ろう。

2023年08月04日

遊び心を忘れない トラディショナルスタイル。


「クラウリーヴィンテージ」オーナー/ショーン・クラウリーさん|ニューヨーク州ブルックリンにて、男性向けのヴィンテージウエアを販売する「クラウリーヴィンテージ」のオーナー。前職ではラルフローレンのデザイナーを務めていた。ラルフローレンのデザイナー時代から、インスピレーションを得るために古着を買っていたという彼の選ぶアイテムはトラディショナルなものが多い。着用しているストライプのジャケットは1960年代のアイテムだそう。彼の特にお気に入りのアイテムで、このような派手なアイテムはベーシックなアイテムでシンプルに合わせるのがコツだとか

ニューヨーク州ブルックリンにて、男性向けのヴィンテージウエアを販売する「クラウリーヴィンテージ」。ローイングブレザーズのデザイナー、ジャック・カールソンが思うプレッピーな店のひとつに挙げられていた。そんな同店のオーナーを務めるショーン・クラウリー。実はラルフローレンでデザイナーとして働いていたという過去をもつ。

「僕なりのプレッピーは、20世紀の紳士服のブリティッシュアメリカン、イギリスとアメリカのスタイルをミックスしたものだと思います。プレッピーという言葉は、アイビーやトラディショナルなどといった非常に近い言葉が多いので曖昧なもの、プレッピーという言葉自体が先走って、正しい意味とは違う意味で使われていたりするので、僕自身あまりプレッピーという言葉を使わないようにしています。

あくまで僕のファッションの軸にあるのはトラディショナル。ただ、忠実に伝統的なスタイルをするのではなく、スマートでありながら、遊び心をもったスタイルが僕のトラディショナルスタイルですね。それはフォーマルであってもカジュアルであっても同じです。結局どんなスタイルにおいてもファッションは楽しんでこそだと思います」

自身をプレッピーではないと話すが、佇まいはプレッピースタイルそのもの。ジャックからも聞いたように、我々から見るショーンはプレッピーの体現者と言っても間違いはないだろう。

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「クラウリーヴィンテージ」オーナー・ショーンさんの欠かせないプレッピーなもの。

1.Vintageのパッチワークマドラスジャケット

チェック、ストライプ、かすり柄の生地がランダムに配置されているパッチワーク生地。アイビーの全盛期である、1960年代頃に作られた、まさにプレッピーな3つボタンのスポーツコート。

2.Vintageのニードルポイントパンプス

ニードルポイントにて舌を出し王冠を被ったライオンがモチーフに描かれた1940年代頃のイギリス製のスリッポン。エンジ色に金色の糸が映え、高級感のある上品な印象。

3.Vintageのブレザー

現存する中で最も歴史のあるアマチュアクリケットクラブ「アイ ジンガリ」のブレザー。約100年前のものとは思えない状態の良さで、赤と黒と黄色の三色のストライプが目を引くデザイン。

4.Vintageのクリケットセーター

普段からヘビーに使用しているという1980年代の〈ラルフローレン〉のセーター。首元が詰まっておりスポーティーな印象、生成りボディに映える赤と青のストライプが美しい。

5.Vintageのニードルポイントクッション

ディズニーや、ピーナッツなどのモチーフが描かれたカラフルなヴィンテージのクッション。全面にニードルポイントが施された精巧な作りで、ついつい集めてしまうという。

6.Vintageのツイードジャケット

1970年代につくられたブルックスブラザーズのジャケット。柔らかな着心地はカシミヤならでは、青や赤などの原色が同時に使われていますが、派手すぎない上品なルックス。

7.Vintageのフェアアイルニット

ツイードジャケットなどシンプルなアイテムにアクセントとして合わせたい手編みのウールベスト。この一着に使われている糸は15色以上と、一般的なものとは一線を画す。