営業担当者になったからには、商談の成果が上がるような「売れる営業トーク」を身につけたいもの。そこで今回は、営業トークのコツや、お客さまの心を掴む「鉄板トーク」について、各業界で活躍する営業担当者4名に伺いました。

今回教えてくれたのは……

  • BesoGroup 仲田芽衣さん
  • 株式会社ペンマーク 表錬太郎さん
  • 株式会社ゆめみ 染矢幹基さん
  • 株式会社Linkry・Mさん

BesoGroup 仲田芽衣さん
「“税理士界のアンミカ”と自己紹介しています(笑)」

仲田芽衣さん

株式会社Beso 取締役 COO、税理士法人Beso 代表社員。京都の税理士法人への勤務を経て、中小企業のサポートや税理士業界の課題解決のため、2019年9月にBesoGroupを設立。営業歴は4年。座右の銘は、「継続は力なり」。

――お客さまとのコミュニケーションで、大切にしていることを教えてください。

仲田さん

お客さまの話をちゃんと聞くことですね。私たちのお客さまは税理士の先生方なのですが、仕事からプライベートまでいろいろなお話を聞かせてくださいます。だから、お話を上手に引き出すように、まずは質問攻めをします(笑)。

それと、相手にリラックスしてもらえるよう自分の失敗談もよくお話ししますね。一見、苦労してなさそうに見えるかもしれないんですけど、失敗の多い人生でして(笑)。そういうエピソードを話すことで、相手に人間味を感じてもらえると思うんですよね。

――仲田さんならではの営業トーク術は?

仲田さん

元々人と話すのが好きで、お客さまと話してて「あ、この人、これ好きそう!」って感じたら、そこをどんどん掘っていくタイプなんです。逆に「あ、これはちょっと話したくなさそう」と感じたらそこは避けます。

ちなみに、商談などは「絶対楽しませて終わらせたろ!」という気持ちで全力で望んでます! だから私の商談は1時間が限度。全力投球で行くから、それ以上は体力がもたいないんです(笑)。

――お客さまの心を開かせる「鉄板トーク」はありますか?

仲田さん

アイスブレイクの鉄板ネタは、「税理士になったきっかけは上戸彩さん。今は“税理士界のアンミカ”ってよく言われます!」という自己紹介ですね。話し方がアンミカさんに似ているみたいで気に入ってよく使っているんですが、これを言うとみなさん笑ってくれて一気に場が和むんです。それを見るために商談に参加しているのかもしれません(笑)。

――ズバリ成功率は?

仲田さん

場を和ませる成功率は100%です!

――プライベートでも仕事でもご自身がお客さんの立場となった時に、「マネしたい!」「やられた…」と感心した営業トークはありますか?

仲田さん

取引先の営業マンの方なんですが、本人はとある芸能人に似てると言い張って、自分をイケメンキャラとして通していてそれが素敵なんです! 社内外からめっちゃいじられていて、その度に「イケメンは辛いわ~」って笑って受け流すんです。そのやりきるメンタルと周りを楽しませるエンタメ性は、すごいなぁと感心してしまいます。

――そこで学んだ営業トーク術を、どこかでいかそうと考えていますか?

仲田さん

「私もアンミカさんのモノマネ、やってみようかな」って思いました(笑)。まさか自分がモノマネする日が来るとは思ってなかったんですけど、新たな一面を見せるのも大切だと思うし、チャレンジする価値はあるかもしれませんね!

BesoGroup

税理士業務に加え、財務・会計を中心とした財務コンサルティング、会計ソフト『freee』を活用したバックオフィス改善支援とfreeeアプリの開発、そして税理士事務所向けのプロダクト開発を行う。「会計業界をHACKする」をミッションとして会計・税理士業界に変革を起こすことで、「財務で日本を明るく、イノベイティブに」というビジョンを実現することを目標としている。

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株式会社ペンマーク 表錬太郎さん
「相手に合わせた“柔軟性”が大事だと思います」

表錬太郎さん

2020年3月、株式会社ペンマークに入社し、現在はセールス責任者、アライアンス責任者として活躍。営業歴は3年。座右の銘は、「疾風迅雷」。

――お客さまとのコミュニケーションで、大切にしていることを教えてください。

表さん

担当者に対しては、会話の着地点を意識しています。背景や立場、求めているものを理解し、それを基に自分たちが伝えたい情報、聞きたい情報を引き出せるように努めています。担当者が何を重視しているか、例えば成果なのか、それとも上司からの評価なのかを把握することで、ニーズに対応した具体的なアクションや提案ができると思うんです。
 
もし担当者が成果を最優先しているのであれば、その成果がどのように達成されたかを強調します。一方、上司からの評価を重視する人に対しては、担当者の努力が認められ、評価されるような伝え方やその評価を高めるために何ができるかを考え、提案、報告をしています。
 
また部長や課長といった上位の役職者に対しては、ビジョンを見せることに重きを置いています。スモールスタートも多いですが、今回の取り組みを通じて最終的にどんな未来が実現できるのか、大きなストーリーを語るようにしています。

――お客さまの心を開かせる「鉄板トーク」はありますか?

表さん

相手によってトークの内容を柔軟に変えているため、鉄板トークはありません(すみません……)。

――なるほど。では、相手によってトーク内容をう変えていますか?

表さん

弊社のサービスは学生向け学習管理SNSがメインのため、主なクライアントはZ世代やα世代にアプローチしたい企業です。最近は、長期的な顧客価値(LTV)を重視し、スイッチングコストが高い商材については、若い世代から獲得しようとする企業も増えています。一方で、Z世代は一般的に学生が多く、可処分所得が低いですが、広告を嫌う傾向があるので、従来型の広告手法ではなかなかうまくいきません。
 
こうした背景がある中で、弊社に問い合わせがある段階では、何ができるかわからない状態のクライアントも多いです。広告代理店や事業会社の方でもこれらの世代に対して理解の深度に差があるため、相手の理解度に合わせた説明を心がけています。
 
また、ボトルネックとなるポイントに対しては、例えば担当者が上司に提案を通す際にどのような説明をすれば良いかをアドバイスするなど具体的な解決策を提供しています。

――プライベートでも仕事でもご自身がお客さんの立場となった時に、「マネしたい!」「やられた…」と感心した営業トークはありますか?

表さん

新卒で入社した会社の最初の上司の営業スタイルです。彼からは明確に「Yes/No」を伝える重要性や、自身と自社が提供できる価値を信じる大切さを学びました。「私だから、私たちの会社だからこそ良い結果が出せる」という強気な姿勢で営業トークを展開することで、結果的に顧客からの信頼を得ていました。

――いい上司に恵まれたのですね。

表さん

そうですね! あとはクライアントのケースも参考になりました。明らかにお客さま側にミスがあった時でも、そのミスに対して「ありがとうございます」というポジティブな対応をしていました。一見些細に思えますが小さな信頼を積み重ねることで、お客さまが選択を迷った時、我々の方を選んでもらうための大きな後押しとなると学びました。
 
そして特に真似したいと思ったのは、未知の結果に対する期待値を適切に調整し、その結果が想定通りに出なかった場合でも、「結果が出ないことがわかった」という視点を持つことです。これは期待値調整の一環とも言えますが、これが顧客との信頼関係を築く上で重要なスキルであると感じました。

株式会社ペンマーク

「学生の一生を豊かにする」ことをミッションに掲げ、「大学生活のDX」を推進しているスタートアップ企業。大学生向け学習管理SNS『Penmark』を開発・提供している。『Penmark』では合計で数百万件を超える、大学ごとに固有の授業データや口コミを元に時間割を作成することが可能。また、授業内トークルームでは、同じ授業を受講している他の学生とコミュニケーションを取ることができる。その他、ノートや課題・出席を管理する機能や、同級生とトピックごとに自由に情報交換ができる学内掲示板などを搭載し、大学生の学習活動を一貫してサポートしている。