●2.米国株 : 好企業業績を先取りした相場だけに、材料出尽くし懸念がある

 1)米国株は、4~6月期の好決算発表を先取りして大幅上昇したため、要注意
  ・米国株は、36年半ぶりの13 営業日連続上昇し、+1,785ドル高と急騰した。7/7終値 33,734ドル ⇒ 7/26 35,520ドル +1,785ドル高・+5.3%高上昇の材料は「4~6月期の好決算発表」の先取りである。
  ・その要因で株高となっているため、実際の決算発表後は「材料出尽くしで売り」として利益確定売りに押されやすくなる局面も想定できることに留意したい。

 2)7/26のNYダウは「9月利上げ見送り期待」で+82ドル高
  ・パウエルFRB議長の記者会見での発言もあり、NYダウは13日連続の上昇。

 3)米インフレの鈍化は底打ちし、再上昇が強く懸念される
  ⇒ FRBの利上げは継続すると予想
  ・WTI原油価格の推移に見られるように、エネルギー価格が再加速している
   6/12 67.12ドル ⇒ 7/25 79.63  +12.51ドル高・+18.6%高
  ・労働市場は、失業率が低く、求人件数が高水準に見られるように人手不足の深刻さを背景に、賃金上昇が続きサービス価格上昇が止まらない。

 4)中国・欧州の景気回復は期待外れとなる公算
  ・中国は、経済刺激策を打つとアナウンスいたが、いったん火が消えた消費の再点火は容易ではない。中国は個人消費の喚起のため、家電製品の購買意欲向上に焦点をあてて需要拡大を目指しているが、いったん締めた財布のひもを緩めるのは困難。なぜなら、個人は将来に不安を感じたから財布のひもを締め、貯蓄に回しているからである。その個人の将来不安を払拭する必要があるが、中国共産党・政府からそのような不安払拭の政策が見えない。
  ・中国の住宅購買刺激策も期待できない。住宅価格の上昇を抑制しながら、住宅販売増は難しい。さらに、住宅供給する不動産業界が習国家主席の融資規制で疲弊している。
  ・欧州、中心となるドイツ経済は景気後退の瀬戸際に立っている。英国もインフレが鈍化しつつあるものの、牽引役となる余力はない。フランスもストが多発する懸念を抱えている。
 
 5)米株式に試練が待ち受けていると予想
  ・米インフレの再加速が濃厚であり、FRBは約7%程度まで利上げに迫られると予想する。
  ・したがって、米国株式は苦難が待ち受けていると予想する。

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●3.FRB、+0.25%の追加利上げ決定、インフレ再加速防ぐ狙い(毎日新聞より抜粋

 1)7月の利上げで、政策金利の誘導目標は5.25~5.5%になる。

 2)米国の6月の消費者物価指数は前年同月比+3.0%上昇で、直近のピークだった。2022年6月の+9.1%上昇から12カ月連続で鈍化。FRBが目標とする+2%に近付きつつある。

 3)ただ、インフレ鈍化は原油価格の下落に伴うエネルギー価格の低下が主因。人手不足を背景にした賃金高騰などサービス価格の上昇は続いているため、追加の引締めが必要と判断したと見られる。