●6.IMF(国際通貨基金)は5/21、米国は物価抑止で一段の利上げを勧告(フィスコ)

 1)米国のインフレは、2023年末も約+4%と、FRB目標の+2%を上回ると予測。

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●7.欧州のエンジン、ドイツがリセッション入り、危機乗り越えられるか(ブルームバーグ)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)5/25、上海総合▲3安、3,201(亜州リサーチより抜粋
  ・朝高後に売られる流れとなった。指数は前日に4ヶ月ぶりの安値水準に落ち込んだとあった、値ごろ感に着目した買いが先行した。ただ、新型コロナウィルス感染の流行第2波による経済活動への影響が懸念されるなか、上値は重く、指数はほどなくマイナス圏に沈んだ。
  ・また、米国のデフォルト(債務不履行)や金融引締めの長期化懸念も全体相場の重石となった。
  ・業種別では、メディア・娯楽関連の下げが目立ち、ホテル・観光関連も冴えない。農薬・化学肥料・食品・農林水産・非鉄金属なども売られた。半面、水・ガス供給は高く、発電・電力設備・印刷報道・電器・ガラスが買われた。

 2) 5/26、上海総合+11高、3,212(亜州リサーチより抜粋
  ・自律反発狙いの買いが優勢となる流れとなった。
  ・上海総合指数は前営業日まで3日続落し、本日の前場には一時、心理的節目の3,200を割込む場面もみられた。
  ・中国経済の先行き不透明感や人民元安・米ドル高を背景に、海外へのホットマネー流出が不安視されている。株価指数の上値は重い。
  ・米国のデフォルト(債務不履行)や金融引締めの長期化懸念も根強い。
  ・業種別では、バイオ医薬品が高く、メディア・娯楽関連がしっかり、電子情報・水ガス供給・医療機器が買われた。半面、石炭は安く、電器・ガラス・家具などが売られた。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)5/25、日経平均+118円高、30,801円(日経新聞より抜粋
  ・米画像処理半導体(GPU)のエヌビディアが発表した好決算を受け、値嵩の半導体関連株を中心に連想買いが波及した。半導体製造装置のアドテストが急伸し、日経平均を1銘柄で+154円押し上げた。
  ・アドテストのほか東エレク・スクリン・信越化など主要な半導体関連株が軒並み高となった。エヌビディアの決算は売上高や見通しが市場予想を上回り、生成人工知能(AI)に使う半導体の引き合いの強さが確認されたとの見方から、東京市場でも関連とされる銘柄に物色が向かった。
  ・米債務上限問題を巡る先行きの不透明感が重荷だった。5/24の米株式市場でNYダウは▲255ドル安と4日続落した。米株安の流れを引き継ぎ、日経平均は朝方に下げ幅を▲100円超に広げる場面があるなど、相場全体の上値を抑える要因となった。
  ・安川電・エーザイ・味の素が上げ、第一三共・川崎汽船・エムスリーが下げた。

 2) 5/26、日経平均+115円高、30,916円(日経新聞より抜粋
  ・前日の米ハイテク株高や為替市場での円安・ドル高を背景に値嵩の電機機器や精密機器が買われ、指数を押し上げた。一方、週末を前にバリュー(割安)株を中心に利益確定売りが出て、上値が重くなった。
  ・5/25の米市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅に上昇したのを受け、東京市場でも半導体関連株に買いが入った。前日に急伸したアドテストは朝安後、上昇に転じ、東エレクは年初来高値を更新した。日経平均の上げ幅は一時+300円を超え、5/22の31,086円を上回る場面もあった。
  ・円相場が一時140円/ドル台に下落し、輸出企業の採算改善への期待が高まったことも相場を支えた。今後のインバウンド(訪日外国人)需要の回復期待もあり、JALやJR東海が上昇した。
  ・「過熱感から利益確定売りも増えてきたが、日本経済の正常化と今後の業績回復に対する期待が外国人投資家を中心に根強い」との指摘もあった。
  ・東証株価指数(TOPIX)は後場に失速し、小幅に4日間続落した。
  ・HOYA・丸紅・京成が買われ、半面、KDDI・第一三共・セブン&アイが売られた。

●2.日本株:個別株価では天井を付けたとみられる銘柄が多くなってきた模様

 1)日経平均は上昇するも、一部値嵩株の寄与度が高く、歪さが増える
  ・値嵩で上昇銘柄に集中。
  ・米金利高を受け、円安が進行し140円台乗せで輸出関連株が買われる。
  ・米2年債利回りは5/26、4.61%へ急伸。
  ・米エヌビディア株の急騰を背景に、半導体&同製造装置株が上昇波及。

 2)米4月コアPCEが前年比+4.7%で、6月利上げ確率上昇
  ・米6月FOMCで利上げの確率が高まる。
  ・円安進行で輸出関連株には追い風だが、日本の経済・国民にとってはマイナス。

 3)株式先物市場で、外人投資家は5/25・26と「売転換」⇒売り継続となるか注意したい
  ・5/29の外人投資家の先物手口に注目したい。

 4)自社株買い発表が増え、6月末の株主総会まで買い圧力となる
  ・株主総会前まで 5/1~5/25までに企業発表があった209社の自社株買い。
  ・金額は総額で3兆2,400億円と過去最大。昨年5月の月間で3兆1,200億円を既に上回る。

 5)個別株でみると、チャートで天井を付けたと思える銘柄数が多く見受けられる。
  ・米債務上限問題を巡る交渉妥結で、株価は好反応を示すだろう。
  ・利益確定売りにとって絶好の機会となろう。
  ・今後の材料は乏しくなる傾向にあり、株式市場はいったん様子見姿勢が強まる可能性もあり得る。
  ・下落の備えにも注意を払いたい。

●3.企業動向

 1)ソニー   熊本県で半導体新工場、数千億円で建設へ(熊本朝日放送)

■IV.注目銘柄(投資はご自身の責任でお願いします)

 ・4461  第一工業製薬 業績回復。
 ・7012  川崎重工   業績堅調。
 ・9519  レノバ    業績好調。