「このままフリーターは嫌だ」「フリーターから正社員になるにはどうすればいいの?」といった悩みを抱えていても、不安な気持ちが勝り、就職活動に踏み出せずにいる人は多いのではないでしょうか。

今回は、フリーターから就職するまでの方法やメリット、おすすめの職業についてご紹介していきますので、就職したいフリーターの方はぜひ参考にしてみてください。

フリーターとは

厚生労働省によるフリーターの定義は、「15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者のうち、以下の者の合計としている」とされています。

  • 雇用者のうち「パート・アルバイト」の者
  • 完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者
  • 非労働力人口で、家事も通学もしていない「その他」の者のうち、就業内定しておらず、希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」の者

また、35歳以上かつ上記に当てはまっている方は、フリーターの年齢定義から外れているため「高齢フリーター」と呼ばれることもあります。
引用元:厚生労働省「平成29年度版 労働経済の分析」

フリーターと正社員の違い

フリーターと正社員は、雇用期間に大きな違いがあります。フリーターは有期雇用であるのに対して、正社員は無期雇用となり、よほどの理由がない限り解雇はされません。
また、生涯賃金にも大きな差があります。ここでは「18歳で就職し60歳まで勤務した場合」と「大学卒が新卒から60歳まで勤務した場合」の2パターンに分けてご紹介していきます。

  • 18歳で就職し60歳まで勤務した場合の生涯賃金
     正社員の平均…約2億2,000万円
     フリーターの平均…6,000万円
     引用元:厚生労働省資料「正社員とフリーターの格差」
  • 大学卒が新卒から60歳まで勤務した場合の生涯賃金
     正社員の平均…約2億2,000万円(女性)
     正社員の平均…約2億7,000万円(男性)
     フリーターの平均…約6,840万円(女性)
     フリーターの平均…約(男性)

     引用元:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2021」

  • これらの調査結果から、正社員とフリーターの雇用形態の違いによって大きな賃金格差が生まれてしまうことが分かります。

    フリーターが就職するメリット3つ

    規則などの自由度が高い

    フリーターとして働くと、正社員と違ってシフトを変えられるなど仕事をする日時に関して自由度が高いといえます。また、残業したとしてもしっかり時給をもらえたり転勤がないなど、プライベートを重視しやすい良さもあります。

    業務において伴う責任が少ない

    フリーターの業務は正社員からの指示によって進める場合が多いため、業務で問題が起きたとしてもその責任は正社員よりも少なくなっています。プレッシャーや重圧な責任などが合わないという方にとって、最適な働き方であるといえます。

    働いた分だけ稼ぐことができる

    フリーターは、月給制ではなく時給制もしくは日給制であるため、シフトに多く入り働けば働くほど稼ぐことができます。稼ぎたい時にはたくさんシフトに入り、働けない時にはシフトを入れないなど、自分のさじ加減によって収入を調整できるメリットがあります。

    フリーターの就職を叶えるために意識すべきポイント

    フリーター期間で培ったことなど自己分析をする

    まずは「自分がどんな人間なのか」「どんなスキルを持っているのか」「どんな仕事が好きなのか」など、自分に関することについてまとめて自己分析をしていきましょう。
    また、正社員として就職すると、無期雇用といった長期間の雇用によってキャリアアップしていくことが可能となるため、自分のキャリアプランについても考えてみるといいでしょう。

    企業の希望条件を増やしすぎない

    職種・年収・通勤のしやすさ・ボーナスがある・福利厚生など、職場に求める条件を増やしすぎないようにしましょう。
    自分のスキルがある場合は良いですが、より企業に受かりやすくするには、条件の数が多すぎることによって理想ばかり大きくなってしまい自分が企業に還元できる業務が置き去りになってしまいます。

    就職を叶えるためにとにかく行動を起こす

    今まで続けてきた環境を変えるのはとても勇気の要ることですが、その迷っている期間が長くなればなるほどさらに挑戦がしづらくなってしまいます。
    また、年齢が上がることで就職もしにくくなるため、就職を叶えるならなるべく早いタイミングで行動を起こすようにしましょう。

    選考に向けての対策をきちんとする

    履歴書・職務経歴書・面接などの選考に向けて、対策をきちんとおこなうことが内定へと繋がってきます。
    またフリーターは、自由度の高い働き方ができることから「働く意欲があまりないのでは」と思われてしまう可能性があります。そうならないためにも、フリーター期間でどういったスキルを身に付けどんな過ごし方をしてきたのか、しっかりと採用担当の方に伝えられることが重要です。

    フリーター期間でのアピールポイントがないなら資格取得を

    フリーターとして働いていた期間の経験やスキルに不安のある方は、資格取得をしてから就職活動をおこなうのも手です。資格がなくても始められる職業が多いですが、特定の職業に就くために「実際に行動に移した」「努力をして結果を出した」という証明・アピールポイントにもなります。

    フリーターの就職におすすめの方法3つ

    1:ハローワーク(公共職業安定所)を利用する

    ハローワークは、厚生労働省が管理・運営している職業紹介事業所のことで、無料でさまざまなサポートを受けることができます。サービス内容としては、求人の紹介・職業訓練・選考に関する書類関係や面接のサポートが可能となっています。

    2:求人サイトを利用する

    求人サイトとは、求人が掲載されており自分の希望条件から気軽に求人を探すことができるサービスとなっています。
    基本的に無料で利用できるサイトが多いですが、会員登録が必要となります。また、フリーターから就職したいという方には、「未経験歓迎」「研修あり」などの特徴のある企業がおすすめです。

    3:就職エージェントを利用する

    就職エージェントは、非公開の情報を含めた求人の紹介や選考に関する書類関係・面接のサポートなどを受けることができ、基本的に無料でサポートをしてくれます。また、ビジネスマナーなどの研修を無料で受けられる場合もあるので、もし研修がついてたら是非前向きに学んでみてください。

    フリーターの就職で押さえておきたい面接対策

    マナーを守る

    時間を守る・面接室への入り方・言葉遣いなど、社会人としてのマナーを守ることが大切です。採用担当の方は、自社の従業員として恥ずかしくないか、最低限の常識はクリアできるよう準備しておきましょう。

    面接の流れを把握する

    面接のおおまかな流れを把握しておくことで、本番を迎えた際に焦ることなく進めることができます。以下の4つを確認しておきましょう。
    ①入室の際は、ノック3回、「失礼します」と言い一礼してから入室します。
    ②イスに座る際は、面接官の許可があってから座りましょう。
    ③質疑応答の際は、ハキハキとした話し方かつ目を見てしっかりと面接官の質問に答えましょう。
    ④退室をする際は、「本日はありがとうございました」と一礼してから退室しましょう。

    身だしなみを整えておく

    就職活動の面接では、スーツの着用が好ましいとされています。また、服装がきちんとしていても、頭髪の清潔感がなかったり派手なネイルをしたままであったりすると、面接官によい印象を与えることができません。
    身だしなみが整っていないだけで、普段の生活までだらしなさそうな印象を与えてしまうため、好印象を残すために「最低限の清潔感」は守れるようにしましょう。

    質問に対する答えを用意しておく

    自己PR・志望動機・長所・短所・失敗とそこから学んだことなど、聞かれることの多い質問に対して答えをあらかじめ用意しておくようにしましょう。上記の内容で答えられないものが多いと「物事に対して準備をする能力が低いのではないか」といった悪い印象を与えてしまう可能性があります。

    フリーターから就職するときにおすすめの職業

    介護職

    介護職とは、高齢者・障がい者の生活をサポートし、老人ホームや個人の自宅に伺い業務をおこなう職業です。常に人手不足で採用されやすいため、フリーターに人気の職業となっています。
    また、低賃金かつハードワークといった悪いイメージのありがちな職業ですが、資格取得によってキャリアアップし収入を増やすことができます。

    営業職

    営業職は、個人・企業に向けて商品・サービスなどの営業活動をおこなうことを指し、「新規顧客の開拓」「既存顧客のフォロー」「問い合わせをされた方への対応」などの3種類があります。
    また、コミュニケーション能力の高い人に向いている職業であることから、専門的なスキルがなくても始めやすいという特徴があります。

    接客業

    接客業とは、アパレル・商業施設・飲食店などでお客様に商品やサービスを提供する職業を指します。「未経験歓迎」「学歴不問」の求人が多いですが、体力が必要であったり給料が低くなりがちであったりするデメリットもあります。

    技術職

    技術職とは、専門知識を持って製品・システムを作成する工程に関わる職業を指し、IT系でいうとプログラマーやエンジニアなども含まれます。
    人気な業種ではありますが、技術職であるために特殊な知識・スキル・資格が必要となる企業も多く、フリーターとして働きながら資格取得をするのがおすすめです。

    事務職

    事務職は、書類作成・電話対応・ファイリングなどのデスクワークをメインにおこなうので、体力に自信のない方でも働きやすく、「未経験歓迎」「学歴不問」の求人が多く出されています。また、出張・残業のが少ないため、特に子どもがいる方に人気のある職業です。

    フリーターから就職するのが不安な方はエージェントへ相談してみよう

    エージェントへ就職の相談をすることによって、求人の紹介・提案から、自分ひとりでは気が付かなかった視点でアドバイスがもらえるなど、内定へ向けてプロによる手厚いサポートを受けることができます。求人サイトでは出会えない非公開求人の提案も、大きなメリットです。
    また長く仕事をしていくためには、不衛生な環境で働かなければいけない企業・残業時間が多い・休日出勤が多いなど、従業員の健康に支障をきたす恐れのある劣悪な職場を選ばないようにする必要があります。
    従業員が健康的に働くことのできる環境づくりが推進されている「職場健康経営優良法人」に認定されている企業や、育休を推進している企業を選ぶことによって、キャリアアップも目指しやすくなります。