クレジットカート大手の米Mastercard(マスターカード)は10月17日、金融機関が顧客に安全な暗号資産取引サービスを提供できるようにするための新しいプログラム「Crypto Source」を発表した。

現在、Mastercardが銀行やフィンテック向けに提供している暗号資産関連のサービスは、厳選された暗号資産の購入や保有、売却を行うサポートや、取引の監視、マネーロンダリングの防止、セキュリティー管理などがある。Crypto Sourceは、プログラムの設計や商品開発、技術導入、市場参入の最適化、マーケティング・コンサルティング・サービスを含むプログラム管理を行い、銀行やフィンテック、発行者が暗号資産を活用したサービスを大規模に提供できるよう、エンドツーエンドでサポートするという。

Crypto Sourceの提供のため、Mastercardはブロックチェーン基盤プラットフォーム企業のPaxos Trust Companyとのパートナーシップを拡大し、協力する予定。暗号資産関連企業のPaxosが暗号資産の取引と保管サービスを提供し、Mastercardがその機能を銀行のインターフェースに統合する仲介役を担う。

Mastercardのサイバー&インテリジェンス担当のAjay Bhalla氏は発表に際し「信頼が私たちのビジネス。Crypto Sourceは、ユーザーを安全かつセキュアに暗号資産のエコシステムに取り込むためのアプローチで、顧客や消費者に市場で最も技術的に進んだソリューションを提供する」と述べている。

Crypto Sourceは現在、パイロットプログラムを準備中で、詳細は、改めて公開される予定とのこと。

Mastercardは2021年以降、暗号資産やNFTなどのデジタル資産関連の取り組みを拡大させており、同年9月には初のNFTを発行。また1月には大手暗号資産交換所の米コインベースと提携し、コインベースが21年10月に立ち上げを発表したNFTマーケットプレイス「CoinbaseNFT」での支払いに、クレジットカード決済の導入を目指すと公表していた。4月には社名やロゴ、「PRICELESS」のキャッチコピーなどを含むメタバース関連の商標15件を申請。6月には、Web3.0に決済ネットワークを導入し、複数のNFTマーケットプレイスでの決済に同社のクレジットカードやデビットカードが使用できるようになったと発表している。