慶應高校野球部は、人類に5%しかいない「勝ちグセ脳」だらけ!? 甲子園優勝の要因の1つ「成信力」…自分が成功できることを信じる力は寝る前10分間で作られる

107年ぶりに夏の甲子園で優勝した慶應高校野球部。その優勝の秘訣の一つに「誰でもプラス思考になれる」メンタルトレーニング=SBT (スーパーブレイントレーニング)の効果があげられるという。その中の成長力を左右する「成信力」がいかにして作られるのかを説明しよう。『慶應メンタル – 「最高の自分」が成長し続ける脳内革命』 (ワニブックス) より、一部抜粋・再構成してお届けする。

KEIO Mental #13
成功を信じられる人だけが成功する


人は1日に7万回も思考し、そのほとんどはネガティブなことを考えている


ネガティブな記憶は人をマイナス方向に導きます。

私にはある苦い記憶があります。小学2年生の夏休み明けに、教室の皆の前でどのような夏休みを過ごしたのかを発表するよう、担任の先生から指示を受けた時のことです。

スラスラと答えた最後に、話をどうまとめようかと約10秒思案し沈黙したところ、先生からダメ出しをされ、それを合図にクラスメイトからブーイングされたのです。その悔しさと悲しさは今も鮮明に記憶しています。教室の右奥に先生がいて、クラスメイトがこっちを見て笑っている、その映像がはっきりと残っています。

なぜこのような昔のことをはっきりと覚えているのでしょうか。





それは、人は感情と一緒に出来事や物事を記憶するからです。そして、ポジティブなことよりも、ネガティブなことのほうが記憶に残りやすいからです。

これは人間が今より原始的な生活をしていた頃、過酷な自然界で最悪の事態を常に記憶していた頃の名残とも考えられます。

ネガティブな感情は残り続けます。失敗も永遠に記憶に残ります。心理学によれば、人は1日に7万回も思考し、そのほとんどはネガティブなことなのだそうです。

ためしにある実験をします。初対面の人について何を思ったのか聞いてみます。良いところと悪いところ、どちらが目についたでしょうか。

すると、ほとんどの人が髪型が変、目つきが悪いなど、悪いところが目についたといいます。自然とマイナス面に意識が向くのは、記憶力に長けている右脳と潜在意識にマイナス情報の蓄積があるからです。


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成長を左右する「成信力」


私が伝えるSBT(スーパーブレイントレーニング)は、成功に導く脳を作るトレーニングです。成功を収めることは実は難しくありません。

成功を信じ続けられる人だけが成功します。自分が成功できることを信じる力。SBTではこれを「成信力」と呼びます。

「こんな高いレベルの目標なんて達成できない」
「早く練習が終わらないかな」

自分自身が成長するチャンスを阻害するのは、そんなネガティブな思いなのです。

否定的な思いは、パフォーマンスを著しく悪くします。たとえば絶体絶命の状況で崖から崖へジャンプしなくてはいけない状況に陥った時(そんなことが起こらないことを祈りますが)、絶対に飛べないと思ってジャンプをしたら、間違いなく届かないでしょう。





どうせできない、という思いでチャレンジして、うまくいくことはありません。一生懸命やったつもりでも、体のキレは悪くなります。

一流の走り幅跳びの選手が跳躍の前に集中している様子を見たことがあるでしょう。あれは「自分はできる」と、いい聞かせているはずです。

そう信じることで、最高のパフォーマンスを発揮できる状態をつくることができるのです。それまでの経験は関係ありません。

日々の練習の中で成長する選手というのは、試合と同じように集中して練習に取り組むことができる選手なのです。


KEIO Mental #14
寝る前にいいイメージを思い浮かべる