アメリカ車の個性といえば巨大なパワーを持ったマッスルカーの存在。大排気量のエンジンで高トルク、高馬力を売りにするクルマが長年受け入れられてきた。といっても大国アメリカでも燃費が悪く、過度なパワーのあるクルマは、もはや一般性は低く、趣味性の高いスペシャルなモデルというイメージに。そんなマッスルカーを電動化したらカジュアルに楽しめるのではないかという問いに答えるカタチをダッジが提案。新型ダッジ・チャージャーには完全電動化したモデルが登場する。

新型ダッジ・チャージャーはEVモデルから先行投入される。

ダッジの誇るマッスルなモデルであるチャレンジャーやチャージャーの生産終了が発表され、もうアメリカ本国でもマッスルカーはさすがに時代に合わないのかと思っていた矢先、ダッジ・チャージャーのニューモデルが発表された。

しかもその先陣を切って登場するのは完全EVというモデル。これは2024年式ダッジ・チャージャーのデイトナ・スキャットパックとデイトナR/Tとしてラインナップされると発表された。

マッスルカーらしいボリューミーな2ドアクーペのボディデザインに、4WDシステムの駆動系を持って登場。気になるパワーはガソリンエンジンもびっくりのデイトナ・スキャットパックで670馬力、デイトナR/Tで496馬力を発生させるというマッスルっぷりなのだ。

メーカー発表によれば1/4マイル(ゼロヨン)を11.5秒で駆け抜けるという。まさに世界初の電動マッスルカーの登場になる。

といっても、今後はガソリンエンジン搭載モデルや4ドアモデルもラインナップされる予定で、ガソリンエンジンモデルではダッジ・チャージャー・シックスパックH.O.にはハリケーンと名付けられたハイアウトプット化した550馬力3Lツインターボエンジン、ダッジ・チャージャー・シックスパックS.O.には同エンジンの420馬力、スタンダードアウトプットエンジンを搭載する予定。

このカテゴリーのモデルはまだまだアメリカでは根強く残りそう。気になる生産は2024年の半ばに始まるという。

マッスルカーの歴史が電動化という新たなステージに来たのかもしれないよね。


生産終了したダッジ・チャレンジャーと先代ダッジチャージャーのデザインのいいとこ取りのような2ドアクーペデザイン。クルマが一人一台の国アメリカでは2ドアモデルの需要も高い。Photo by Stellantis


テールランプはリアの上部外周をぐるっと囲むように赤色のLEDランプが付いて、中央には伝統的なダッジのエンブレムであるFratzog(フラッツォーグ)マークも点灯する仕組み。Photo by Stellantis


往年のダッジのマッスルカー、スーパービーからモチーフになっているバンブルビーをモチーフにしたエンブレムは、チャージャー・デイトナ・スキャットパックとR/Tモデルに付く。Photo by Stellantis


中央に巨大な横長のモニターを配した現代車両らしいコクピット。インパネもモニター化。もはやステアリングホイールもフラットトップ&フラットボトムで円形ではない。Photo by Stellantis


後発でラインナップされる4ドアモデルは2ドアモデルのデザインから大きくイメージがかけ離れていない秀逸なデザイン。2025年初頭に登場予定。Photo by Stellantis


今回のモデル名の元祖となる1969年式ダッジ・チャージャーデイトナはチャージャー500のホットバージョンとしてロングノーズ化や巨大なリアウィングを標準で装備した戦闘的なモデルだった。マッスルカーファンにはうれしいネーミング。Photo by Stellantis