●CPI後に153円台!

 4月10日に3月の米国消費者物価指数(CPI)が発表された。伸び率が上昇したことを受けて、利下げ観測が遠のいたことでドル円は1ドル153円を突破し、実に34年ぶりの安値を更新した。

【こちらも】上昇相場で金価格も最高値更新の理由は?

 152円台は、為替介入が意識され上値が重かったが、あっさりと突破した。

 152円台を上抜けたことで、154~155円台もあり得るという市場の見方も多い。今後ドル円は150円台が定着し、このまま155円台へと向かうのだろうか?

(広告の後にも続きます)

●3月CPIの見方

 10日に発表された3月のCPIは、前年同月比の上昇率が3.5%で前月の3.2%から大きく上昇し、予想も上回った。これで6月の利下げ開始、年3回の利下げという予想は、完全に覆されそうだ。

 2年債利回りも昨年11月以来の5%台となるなど、市場ではインフレの再燃が懸念されている。

 バイデン大統領は「それでも年内に利下げがあるという予想を私は堅持する」と発言しており、大統領選を控え、神経質な展開になりそうである。

 目標である2%にはまだまだ遠く、仮に今後数カ月でインフレの鎮静化が確認できても、大統領選直前の9月には利下げが出来ないという予想が多く、ハードルは高い。

 共和党の候補となるトランプ前大統領は、「利下げはバイデン氏を手助けする目的だ」とけん制している。